1993 Fiscal Year Annual Research Report
コンタクトストレスによる窒化けい素系セラミックスの変形挙動と微細組織に関する研究
Project/Area Number |
04650706
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
内山 休男 長崎大学, 工学部, 助教授 (50039690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和夫 長崎大学, 工学部, 教授 (30225495)
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Keywords | 窒化けい素 / コンタクトストレス / 球状圧子 / 変形挙動 / コンタクトダメージ / 微細組織 / ラジアルクラック / ヘルツクラック |
Research Abstract |
粒径の異なる窒化ケイ素粉末を原料とし、焼結助剤の量を変えることにより、粒径、粒径相の量ならびに構造などの微細組織を違えた4種類の窒化ケイ素系セラミックス焼結体をホットプレスにより作製し、その表面に球状ダイヤモンド圧子を圧入し、そのときに発生する変形挙動と微細組織との関係を調べた。その結果、以下のことが明らかになった。 1.球状ダイヤモンド圧子の圧入により,球冠状の圧痕,ラジアルクラック,リング状のダメージが形成され,圧痕外周円付近には盛り上がりが観察された。 2.球状ダイヤモンド圧子により形成される圧痕の径は,ビッカース硬度と相関した。しかし,圧痕の深さは圧子圧入深さの1/6程度で,かつ,試料による差が大きかった。圧痕外周円の盛り上がりも試料による差が大きく,今後定量的議論が必要と考えられた。 3.圧痕周辺に発生するラジアルクラックの長さは,試料を構成する窒化ケイ素の粒径に支配され,平均粒径の大きい試料ほどラジアルクラックは長かった。 4.ヘルツクラックは,平均粒径の小さい試料のみに発生した。 5.装置を試作して圧子の圧入-除荷履歴を求めたところ、履歴曲線は粒界相の量に依存しすることが判った。 以上の結果のように,窒化ケイ素系セラミックス焼結体の圧子圧入による変形挙動は、焼結体の微細組織に大きく影響を受け、物性値だけでは論ずることができないことが判った。
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