1993 Fiscal Year Annual Research Report
ルチル微粒子および薄膜の室温合成とその生成機構の解明
Project/Area Number |
04650710
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Techonology |
Principal Investigator |
笹本 忠 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (80016831)
|
Keywords | ゾルゲル法 / チタンテトライソプロポキシド / ルチル / チタニア転移 / アルコーリシス |
Research Abstract |
本年度に得られた研究成果は、以下の通りである。 1.ルチル微粒子の室温合成条件とルチル薄膜の作製 昨年度は、チタンテトライソプロポキシド(TTIP)の加水分解条件(酸の種類とその濃度およびH_2O/TTIP比)と加水分解生成物の熱転移温度との関係を詳細に調べた。今年度は、有機金属化合物でない四塩化チタンを用いて検討した結果、四塩化チタンのエタノール溶液(Ti:0.5mol/1)に塩酸酸性水溶液を滴下することによりルチルが合成できることを確認した。また、これらの微粒子を含むジエチレングリコール溶液を前駆体ゾル溶液とするスピンコーティング法によりチタン薄膜を作製した。 2.ゾルゲル過程における熱分析 3.室温でのルチル微粒子の生成機構の解明の一環として、ゾルゲル過程の熱分析、特に加水分解および縮重合反応の前過程であるTiアルコキシドの各種アルコール溶媒によるアルコーリシスについて重点的に検討を加えた。その結果、チタンテトライソプロポキシドのアルコーリシスは比較的容易に起こり、、直鎖型アルコール(炭素数1から7)に対して反応熱は15〜17kJ/molであり、一方側鎖をもつアルコールに対しては数kJ/molの正または負の値であった。
|