1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650721
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越 光男 東京大学, 工学部, 助教授 (20133085)
|
Keywords | シリルラジカル / シロキシ / シラノン / 質量分析 / レーザ誘起蛍光法 / シリコンオキサイド / 酸化 / 単分子分解 |
Research Abstract |
新規に開発したレーザ光分解法と時間分解質量分析法を組み合わせた反応装置を用いてシリルラジカルと酸素分子の反応機構を調べた。シリルラジカルは四塩化炭素のArFレーザ光分解で生じたClとシランの反応により生成し、その濃度の時間変化を四重極質量分析法により追跡した。また反応生成物であるH_2、SiH_2O^+、SiH_3O^+が検出された。さらにレーザ誘起蛍光法(LIF)によりOH、SiO_2を検出し、真空紫外域のLIF(VUV-LIF)を開発してHを検出し、O原子の検出も試みた。これらの様々な反応生成物の時間変化、生成量の圧力依存等を詳細に検討した。特にHとOHを生ずる反応経路の分岐比を決定するために、H及びOHラジカルの濃度の絶対値をLIF法により決定する新らしい方法を開発した。この方法では、まずH原子のLIFと共鳴吸収を同時に測定する。H濃度は共鳴吸収より求められ、LIF強度の較正ができる。次いで、O(^1D)+H_2→OH+Hの反応を用いて等量生成するHとOHのLIFの同時測定を行なう。H原子LIF強度から〔H〕=〔OH〕の濃度が知れるのでOHのLIF強度の較正が可能となる。この方法を用いてシリルラジカルと酸素の反応で生ずるH、OHの絶対濃度を求めて、直接に反応分岐比を決める事ができた。またこの反応系の機構について以下の知見が得られた。 1)SiH_3O+Oを生成する反応は比較的遅く、SiH_3O_2^*の失活速度と同程度である。(圧力が3Torrの時) 2)主な反応生成物はSiH_2O_2+Hであり、この経路は、圧力依存がない事からSiH_3O_2^*を経由しない直接反応であると考えられる。 3)SiH_2O+OHの経路は20%程度起り、連鎖反応を引き起す。観測されたH_2、SiOは振動励起したSiH_2O^*の分解により生ずると考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.Koshi,N.Nishida,H.Matsui: "Measurements of the absolute concentrations of H and OH produced in the SiH_3+O_2 reaction" Journal of Physical Chemistry. (1993)
-
[Publications] Ed.by T.Takeno M.Koshi,N.Nishida,H.Matsui: "Kinetics of the Oxidation of SiH_3 Radicals in “Turbulence and Molecular Processes"" Springer Velag, 500 (1993)