1993 Fiscal Year Annual Research Report
電子移動反応を利用するフッ素系生理活性物質の分子設計および新規合成法の開発研究
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04650765
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Research Institution | Tokyo Institute of Techology |
Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10016701)
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Keywords | モノフルオロβ-ラクタム / 部分フッ素化 / 生理活性物質 / 位置選択性 / 陽極酸化 / 有機電気化学 |
Research Abstract |
フッ素系生理活性物質の開発上必要不可欠な直接フッ素化法や分子変換には安全性や選択性および効率の点で従来問題が多かった。このような背景から本研究では前年度の成果を踏まえ、抗生物質の基本骨格である含フッ素β-ラクタム類の新規合成法と光学活性含フッ素アミノ酸の効率的な合成法の開発を行い、前者については所期の目的を完全に達成することが出来た。後者については研究途中にあるが、いずれ達成できるとの見通しを得た。 1.含フッ素β-ラクタム類の高効率的電解合成法の開拓:(フェニルスルフェニル)アセトアミド類とジヨードメタンから容易に得られるα-フェニルスルフェニルβ-ラクタム類をフッ化物イオン存在下、陽極酸化するとフッ素原子がβ-ラクタムの3-位に導入されることを見い出した。本反応はβ-ラクタム環の電解フッ素化の最初の成功例である。本反応は通常の化学的なフッ素化法では全く進行しない。本法は収率、電流効率ともに極めて高く、しかも汎用性、安全性の面からも優れており含フッ素β-ラクタム類の簡便な合成法といえる。これらの成果の一部は米国化学会誌(J.Org.Chem.)に速報として報告した。 2.光学活性含フッ素トレオニンの新規合成法の開発:当初計画したものよりもより効率的な合成法を設計しこれについて検討した。即ち、光学活性トリフルオロメチルエポキシドとフェニルチオラートから容易に得られる光学活性2-ヒドロキシ-3,3,3-トリフルオロプロピルスルフィドをフッ化物イオン存在下メタノール中で電解酸化するとメトキシ基が硫黄原子のα-位にのみ良収率で導入されることを見い出した。生成物は光学活性トリフルオロ乳酸アルデヒド等価体として有用である。現在、この電解生成物にアンモニアとシアンイオンを作用させて光学活性トレオニンを直接合成することを検討中であり、見通しは極めて明るい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 成塚 智: "Electrolytic Partial Fluorination of Organic Compounds.8.Highly Regioselective Anodic Monofluorination of β-Lactams" The Journal of Organic Chemistry. 58. 4200-4201 (1993)
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[Publications] 淵上 寿雄: "Selective Anodic Partial Fluorination of Heteroatom Compounds" Reviews on Heteroatom Chemistry. 10(印刷中). (1994)