1992 Fiscal Year Annual Research Report
光感応性および電導性をもつ有機シリコンポリマーの電解合成
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04650776
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
九内 淳尭 広島大学, 工学部, 助教授 (90029190)
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Keywords | 電解還元 / 銅電極 / クロロシラン / ヒドロシラン / ポリシラン合成 / ジシラニレンポリマー / シリコン-シリコン結合形成 |
Research Abstract |
我々はクロロシラン類を電解還元すれば、Si_2-Si_5のポリシランオリゴマーが高収率で得られることを見いだしている。本研究では上記電解系を発展させて、π電子系ジシラニレンポリマーの合成を行った。まず、p‐ビス(クロロメチルフェニルシリル)ベンゼンをジメトキシエタン中、銅を陽極、白金を陰極、過塩素酸テトラブチルアンモニウムを支持塩として電解還元し、分子量6,100のポリジシラニレンフェニレンを31%収率で得た。しかし、得られたポリマーの赤外吸収スペクトルにはシロキシ結合に基づく強い吸収が見られ、過塩素酸塩は支持塩として不適であった。一方、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートを支持塩として同様に電解すると主鎖にシロキシ結合を全く含まない分子量6,100のポリジシラニレンフェニレンを19%収率で得ることができた。また、本法はビス(クロロシリル)エタン類の電解にも応用できた。このように、光感応性および電導性発現に有効なπ電子系共役ジシラニレンユニットを骨格とするポリマーの合成が本電解系により達成できた。 また、一挙にドーピングされたポリマーを得る目的で、1,2‐ジチエニルジシラン類の陽極酸化によるポリ(ジシラニレン)ジチエニレンの合成も試みた。本法では黒色ポリマーが容易に得られるが、ESCA分析ではSi/S比が理論量より小さく、また電導性も低かった。更なる検討が必要である。 ヒドロシランからのSi‐Si結合の電解形成についても検討した。メチルジフェニルシランを等量の塩化銅存在下、白金-白金電極を用いて電解酸化してほぼ定量的にクロロメチルジフェニルシランに変換できた。また、白金陽極および銅陰極を用いて先ずクロロシランを電解合成し、その後に電極の極性を反転させて電解を継続することにより、1,2‐ジメチルテトラフェニルジシランを49%収率で得ることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Atsutaka KUNAI: "Electrochemistry of Organosilicon Compounds.3. Synthesis of Poly(disilanylene)ethylenes by Electrolysis of Bis(chlorosilyl)ethanes" Organometallics. 11. 2899-2903 (1992)
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[Publications] Atsutaka KUNAI: "Highly Selective Synthesis of Chlorosilanes from Hydrosilanes" Organometallics. 11. 2708-2711 (1992)