1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650783
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 誠一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00051475)
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Keywords | 擬似糖質 / 擬似オリゴ糖 / 糖転位酵素阻害剤 / トリマンノシドコア構造 / 擬似マンノース / イミノ結合形成 / エーテル結合形成 / グリコシルアミド |
Research Abstract |
細胞表層に存在するオリゴ糖鎖の共通コア構造(ペンタサッカライド)に対し、各種の糖転移酵素が作用して様々な糖鎖構造が生合成され、それぞれの機能を担っている。今年度は、トリマンノシル分枝コア構造の化学修飾を行った。すなわち、alpha‐マンノシドの3位と6位にalpha擬似マンノース残基を導入し、トリマンノシル構造へ働きかける糖転位酵素に対する挙動(酵素活性の阻害あるいは基質として作用するかいなか)を調べることを目的として3種のトリマンノシド類似体の合成を行い、alpha‐マンノシダーゼ阻害活性を測定した。合成手順は、フランとアクリル酸との付加体から出発して、擬似マンノシル供与体となるbeta‐1,2‐アンヒドロ擬似マンノースを調製した。この化合物は擬似alpha-マンノース残基をイミノオキシあるいはチア結合にて真(あるいは擬似)糖受容体へ導入できる一般性のある優れた中間化合物であることが分った。適当に保護化したメチルalpha‐マンノシドへイミノ結合およびオキシ結合にて2個の擬似マンノース残基を組み入れ、2種のトリマンノシド類似体を合成した。一方、阻害活性の増大を計るため、不飽和化したalpha-マンノース残基を導入したものも合成した。3種の合成品に対し、Jack beansのalpha‐マンノシダーゼに対する阻害活性を測定した。オキシ型はほとんど活性がなく、イミノ型は飽和体、不飽和体がそれぞれIC_<50>38mug/mL,6.9mug/mLを示し、比転的強い阻害活性を持つことが示された。今後糖転位酵素についても活性を調べる予定である。以上の研究に加え、生理活性をもつグリコシルアミドの糖部分を擬似糖質で置き換えることによって、擬似糖が真の糖と同様の役割を演じることが明らかにされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Seiichiro Ogawa: "Convenient Synthesis of Oxo‐Linked 5a‐Carba‐di‐ and tri‐sac charides of Biological Interests" Chemistry Letters. 1993. 1587-1590 (1993)
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[Publications] Hidetoshi Tsunoda: "Synthesis of Some 5a‐Carbaglycosylamides,Glycolipid Analogs of Biological Interests" Liebigs Annalen der Chemie. 1994. 103-107 (1994)