1992 Fiscal Year Annual Research Report
フリーデル・クラフト触媒としてのアルミナ担持ハロゲン化銅(II)の利用
Project/Area Number |
04650784
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小泊 満生 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052824)
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Keywords | フリーデル・クラフツ反応 / 無機固体担持試薬 / ベンジル化反応 / 塩化銅(II) / アルミナ担持塩化銅 |
Research Abstract |
フリーデル・クラフツベンジル化反応をモデルに種々の無機固体担持ハロゲン化銅の触媒活性について検討したところ、アルミナ担持塩化銅(II)が最も活性が高く、分離、回収が容易で、しかも再使用出来ることを見いだした。 塩化銅(II)単独では活性が殆どないが、塩化銅(II)をアルミナに担持すると著しく活性が増大した。シリカゲルやゼオライトを担体に用いたものは殆ど活性を示さなかった。塩化銅(II)存在下、ベンゼンと塩化ベンジルを50℃、5時間撹拌しても反応は殆ど進行しなかった。ところが、カラムクロマト用中性アルミナに塩化銅(II)を担持して用いると、1時間でジフェニルメタンが95%生成した。アルミナ担持塩化銅(II)濾別回別し、ベンゼンで洗浄、乾燥したものを再度用いても活性の低下はほとんど認められなかった。ポリメチルベンゼンと塩化ベンジルの反応では対応するモノベンジル化体が高収率で得られた。また、ベンゼンとビス(クロロメチル)ベンゼンとの反応では、塩化アルミ系触媒に比較してポリベンジルベンゼン類の副生が著しく抑制され、パラジベンジルベンゼンが高収率、高選択的に生成した。クレゾール類のベンジル化でも、塩化アルミ系触媒に比較し、良好な収率でモノベンジル化体が選択的に得られた。 これまでに得られた結果をまとめると、 (1)アルミナ担持塩化銅(II)はフリーデル・クラフツ触媒としての高い活性を示す。 (2)触媒の分離回収が容易に出来る。 (3)触媒の再使用が可能である。 (4)塩化アルミ系触媒に比較して高い選択生を示す。 これらの結果は日本化学会第64秋季年会で発表した。
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