1992 Fiscal Year Annual Research Report
有機高分子材料の分解を支配するファクターの解明と分解の反応の制御
Project/Area Number |
04650807
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥飼 章子 名古屋大学, 工学部, 助手 (50023122)
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Keywords | 有機高分子材料 / 光・放射線分解 / ブレンド / コポリマー / エネルギー移動 / 波長効果 / ポリメチルメタクリレート / ポリカーボネート |
Research Abstract |
各種の有機高分子材料(PMMA,Poly(St-co-MMA),PSt-PMMAブレンドおよびPC)の光および放射線による分解反応機構の解明を高分子材料の化学構造の変化、分子量変化を、追跡することによって行った。Poly(St-co-MMA)(コポリマー)と、PSt-PMMAブレンドの分解挙動から比較した結果、光分解、放射線分解ともに、ブレンドでは、各成分が吸収したエネルギーに比例して起こっていることが判った。一方、コポリマーでは、2成分間でエネルギーの授受が起こっていることが明らかになった。この結果は、ブレンド、コポリマーで、2成分の割合を任意に変化せることによって、高分子材料の分解を制御できることを示している。 さらに、PMMA,PCの光分解に対する波長効果の研究を、250nm-1000nmの範囲で任意の波長の単色光を照射することのできる岡崎大型スペクトログラフ(OLS)を用いて行った。実験結果からPMMAでは、光分解に波長依存性があることが見いだされ、分解のしきい値が320nm付近にあることが判った。すなわちPMMAの光分解は320nmよりも長波長の光によっては起こらないことが判った。さらに主鎖切断のメカニズムが明らかにされた。PCに対しても同様にOLSを用いて光照射を行い、PCの黄変に関与している2つの光による過程(光分解、光フリース転位)が起こる波長領域を明かにし、それらの作用スペクトルが求められた。この結果、PCの光分解は、260nm光の照射により、またフリース転位は、280nm光の照射により最も効率よく起こることが明らかになった。さらに両過程とも320nm付近にしきい値が存在することが判った。 注: PMMA ポリメチルメタクリレート; PSt ポリスチレン PC ポリカーボネート
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[Publications] A.Torikai,S.Hiraga,K.Fueki: "Photodegradation of Blends of Poly(methyl methacrylste) and Poly(styrene-co-methyl-methacrylate)" Polym.Degradn.Stab.,. 37. 73-76 (1992)
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[Publications] T.Mitsuoka,A.Torikai,K.Fueki: "Wavelength Sensitivity of the Photo-Degradation of Polymethylmethacrylate" J.Appl.Polym.Sci.,.
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[Publications] A.Torikai et al.: "Radiation-Induced Degradation of Poly(styrene-co-methylmethacrylate) and Blends of Poly-styrene and Polymethylmethacrylate" Rad.Phys.Chem.,.
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[Publications] A.Torikai,T.Mitsuoka,K.Fueki: "Wavelength Sensitivity of the Photo-Induced Reaction in Polycarbonate" J.Polym.Sci.,A,Polym.Chem.Ed.,.