1993 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロゲル修飾超微小電極を用いた化学情報変換システム
Project/Area Number |
04650813
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡辺 正義 横浜国立大学, 工学部・物質工学科, 講師 (60158657)
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Keywords | ハイドロゲル / 体積相転移 / 超微小電極 / 修飾電極 / レドックス反応 / 拡散係数 / 分配係数 / 膨潤度 |
Research Abstract |
本研究は、外部環境の微小な変化に対して体積相転移を誘起するハイドロゲルを、ミクロンオーダーの超微小電極に化学的に固定し、環境変化という情報(特に化学情報)をハイドロゲルの相転移という現象を通して、電気化学的に電気信号に変換するシステムを創製することを目的とし展開された。すなわち、レドックス分子の溶液中にゲル修飾電極を浸して電気化学測定をする事によって、ゲル中レドックス分子の濃度、拡散係数の独立決定を可能にした。ゲルの体積相転移を含む膨潤度変化に、このレドックス分子の濃度、拡散係数は、極めて鋭敏で検出電流値に反映された。また、この測定は、平衡膨潤時のみならず、膨潤変化過程においても可能であるため、本年度は特に、膨潤→収縮あるいは収縮→膨潤といった非平衡時のゲルに生起する現象の空間的不均一さの解析を、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)ゲルを用いて行った。以下に、具体的研究実績を示す。 1)膨潤(〕 SY.dblharw. 〔)収縮の動的な過程を、溶媒極性の変化、温度変化をさせると同時に電気化学測定することにより解析した。また円盤電極を空間的に多数配列させた電極系を作成し、この動的な過程の空間的不均一さを、複数の電極を同時にその場測定する事により明らかに出来ることを見いだした。 2)レドックス分子に種々の分子量の高分子を用いる事によって、ゲル中における高分子物質の拡散係数の分子量依存性を明かにした。 以上の検討によって、本研究の目的である、超微小電極を用いたハイドロゲルの膨潤・収縮挙動の静的および動的解析、さらに環境変化という情報をハイドロゲルの相転移という現象を通して、電気化学的に電気信号に変換するシステムの創製を達成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Watanabe,Y.Tadenuma,M.Ban,et al.: "Electrochemical Study of Swelling Change of PNIPAAm Gels Using Gel-Modified Ultramicroelectrodes" J.Intelligent Material Systems & Structures. 4. 216-222 (1993)
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[Publications] M.Watanabe,M.Seki: "Electrochemical Study on Static and Dynamic States of Hydrogels by Using Gel-Modified Ultramicroelectrodes" Preprints of Joint Symposium on Polymer Gels and Networks. 82-83 (1993)
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[Publications] M.Watanabe,M.Seki,D.Nakayama: "Studies on Hydrogel Dynamics by Using Gel-Modified Ultramicroelectrodes" Polym.Prepr.Jpn.42. 3748-3750 (1993)