1993 Fiscal Year Annual Research Report
フロンティア軌道理論に基づく液相吸着平衡の新相関法
Project/Area Number |
04650853
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学部, 助教授 (30111933)
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Keywords | 液相吸着平衡 / フロンティア軌道理論 / 半経験的分子軌道法 / 活性炭 / 合成吸着剤 / 吸着相互作用 / 吸脱着履歴 / 表面改質 |
Research Abstract |
炭素系吸着剤および合成吸着剤における有機化合物の低濃度水溶液中での吸着相互作用を分子軌道法に基づき検討した.電荷移動相互作用から得られる相互作用エネルギーを指標とすれば,液相吸着の親和係数が相関できることが明らかとなった.また,吸着剤の表面改質において相互作用エネルギーが吸脱着特性の重要な指標となることもわかった. 1.液相吸着親和係数の相関 (1)活性炭,合成吸着剤における吸着相互作用を分子軌道の混合と考え,半経験的分子軌道法とフロンティア軌道理論を用いて吸着特性の指標となる相互作用エネルギーの評価法を提案した. (2)液相吸着平衡にD-R式を適用して得られた親和係数が吸着相互作用エネルギーにより相関できることを示し,液相吸着平衡の推定法を提案した. 2.液相吸脱着特性に及ぼす表面改質効果 (1)活性炭やグラファイトに酸化処理を施せば液相吸着量は減少するが、脱着特性を大きく向上させることが可能であった. (2)液相吸脱着特性に及ぼす炭素系吸着剤の表面酸素官能基の影響を上述の吸着相互作用エネルギーの変化によって定性的に説明できることが分かった. (3)炭素系吸着剤における液相吸着量を増加させるには,塩素化処理が有効である可能性が吸着相互作用エネルギーから示唆された. (4)合成吸着剤における液相吸着量を増加させるには,電子吸引性の置換基を修飾すればよいが,吸脱着の履歴が発現する可能性があることが相互作用エネルギーから示めされた.
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Research Products
(1 results)