1992 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル起微粒子膜による二酸化炭素から一酸化炭素の製造
Project/Area Number |
04650861
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60160222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊地知 和也 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60041555)
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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Keywords | 二酸化炭素 / 一酸化炭素 / 金属超微粒子 / 水素吸蔵合金 / シクロヘキサン / シクロヘキセン / 水素化 / 脱水素 |
Research Abstract |
本研究は、二酸化炭素から効率よく一酸化炭素を製造するため、水素吸蔵合金/ニッケル超微粒子複合成型膜を触媒(あるいは触媒担体)ならびに分離膜として同時に利用しようとするものである。すなわち、本研究の最終目的は、当該分離膜で隔てられた片側の空間で炭化水素の脱水素を行い、膜を通してもう一方の空間に拡散した水素により二酸化炭素を部分還元し、一酸化炭素を得ようとするものである。 今年度の研究においては、上記目的を達成するために最も重要と考えられる水素吸蔵合金の触媒機能ならびに水素保持能力を確認するため代表的水素吸蔵合金であるLaNi_5粒子を使用して固定床流通反応器により炭化水素脱水素/二酸化炭素水素化サイクル反応を実施した。水素吸蔵合金1gを内径10mmの反応管に充填し、水素気流下450゚Cで前処理を行った。その後、温度を反応温度(400゚C)まで下げ、反応管に送るガスを水素から二酸化炭素(分圧10kPa、アルゴンバランス、合計流量200cm^3/min)に切り替えた。30分間二酸化炭素を流通させた後、流入ガスを二酸化炭素からシクロヘキサン(分圧1.3kPa、アルゴンバランス、合計流量200cm^3/min)に切り替えた。この、二酸化炭素/シクロヘキサンサイクル反応を4回繰り返し、出口ガスをガスクロマトグラフにより分析した。二酸化炭素送入時は一酸化炭素が、シクロヘキサン送入時はシクロヘキセン及びベンゼンが生成した。LaNi_5は、粒子径が異なる5種類の試料(10,38,60,100,700μm)を使用した。二酸化炭素からの一酸化炭素収率は、10μmのLaNi_5を用いた場合が最も大きく4%であった。また、4サイクルの実験中その転化率は低下しなかった。
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