1992 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識性無機薄膜の新規合成と高温ガス分離機能を有する膜型反応器の開発
Project/Area Number |
04650871
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
草壁 克己 九州大学, 工学部, 助教授 (30153274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 英明 九州大学, 工学部, 助手 (60238871)
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Keywords | 無機膜 / ガス分離 / ゾルゲル法 / 逆ミセル / 超微粒子 / パラジウム / 細孔 / ガス透過 |
Research Abstract |
1.新規セラミック薄膜の創製 (1)外径2.5mmの多孔質アルミナ中空糸管の表面に、ベーマイトゾルをディップコーティングして、γ-アルミナ薄膜を形成し、クヌーセン拡散支配のガス分離膜を形成した。 (2)界面活性剤であるジオレイルリン酸を用いて、平均径5nmの逆ミセルを形成し、ジルコニウムブトキシドを加え逆ミセルの微小液滴内で加水分解させて、径2-10nmのジルコニア超微粒子を合成した。この逆ミセルに酸を加えて破壊した後、有機相を(1)で作成した膜の細孔内に吸引し、さらに乾燥、焼成した。この膜のガス透過特性について検討したところ、窒素に対する水素の分離係数は4.5となり、クヌーセン拡散の理論値を上回った。このことは細孔径が分子篩領域に達したことを示す。 (3)500℃以上の高温でも二酸化炭素の吸着能が高いチタン酸バリウム微粒子をアルコキシド法で合成し、これをカラムに詰めてガス分離特性を調べたところ、細孔内の二酸化炭素の表面拡散によって二酸化炭素が選択的に透過することを明らかにした。今後は薄膜化することによって分離性能、透過性の向上を試みる。 2.パラジウム薄膜の創製 (1)塩化パラジウム・塩化銀の混合水溶液を超音波墳霧し、水素酸素火炎中で熱分解し、火炎中に(1)で修飾した管を挿入し、表面に金属膜を析出させた。再度、塩化銀水溶液で墳霧熱分解することによって、最適な銀含有量23wt%のPd-Ag合金薄膜を作成した。この膜の窒素に対する水素の分離係数は500℃で24であった。 (2)膜型反応器への展開に向けて、さらに高ガス透過性、高分離性の膜を作成するために、現在、CVD法によって製膜中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Watanabe: "Sol-Gel-Derived Nickel/γ-Alumina Catalyst for Methanol-to-Hydrogen Converter" Industrial & Engineering Chemistry Research. 31. 2633-2635 (1992)
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[Publications] T.Okubo: "Nanostructural Control of Sol-gel-derived Porous Alumina via Modification of Sol" Journal of Materials Science Letters. 12. 188-190 (1993)
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[Publications] Z.Y.Li: "Preparation of Palladium-Silver Membrcme for Hydrogen Separation by Spray Pyrolysis Method" Journal of Membrane Science. 76. (1993)
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[Publications] K.Kusakabe: "Porous γ-Alumina Membranes Modified with Ultrafine Zirconia Particles Prepared by Reversed Micelles Method" Preprint of ACS National Meeting. (1993)