1993 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識性無機薄膜の新規合成と高温ガス分離機能を有する膜型反応器の開発
Project/Area Number |
04650871
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
草壁 克己 九州大学, 工学部, 助教授 (30153274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 英明 九州大学, 工学部, 助手 (60238871)
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Keywords | 無機膜 / ガス分離 / ゾルゲル法 / 逆ミセル / 超微粒子 / パラジウム / 細孔 / ガス透過 |
Research Abstract |
減圧CVD法によるシリカ・アルミナ及びパラジウム・アルミナ複合膜の創製 細孔径を微細制御するために、テトラエトキシシランの熱分解によってシリカをgamma-アルミナ薄膜の細孔内に析出させた。支持管の内部を真空ポンプで減圧にし、細孔がシリカで閉塞するまで反応させた。600℃で3時間反応したシリカ・アルミナ複合膜は水素の透過速度が10^<-7>〜10^<-8>molm^<-2>s^<-1>Pa^<-1>となり、窒素に対する水素の選択透過係数は1000以上であった。また、この膜の耐久性を調べるために500℃において空気あるいは水蒸気を10時間以上流通させた。この結果、透過特性に変化はないことを確認した。 Pdをアルミナ膜の細孔内に内包した膜を調整できれば機械的強度や支持管との熱膨張差による割れに強い構造となる。そこで、支持管としてalpha-アルミナ管を用い、ガラス反応管中に同軸2重管として固定し、酢酸パラジウムを減圧下で昇温しながら昇華させ、Arガスと共にalpha-アルミナ管の外部に供給した。同管の内側はさらに減圧にし、酢酸パラジウムをアルミナの細孔内へ導入しながら熱分解した。最終反応温度を300℃として製膜したPd膜では、水素の透過速度は温度の上昇と共に上昇し、300℃以上ではgamma-アルミナ薄膜の値に近くなった。耐水素脆化性を調べるために100℃と300℃の温度範囲で昇降温を6回繰り返したが、水素の透過速度はほとんど変化しなかった。Pdはアルミナ支持膜の細孔を充填する形で存在しているため、Pdの結晶転移による体積変化に伴う応力はアルミナ粒子の多孔体構造によって緩衝され、割れが防止されたものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 諸岡 成治: "無機膜による高温ガス分離膜の現状" FC Report. 12. 9-16 (1993)
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[Publications] K.Kusakabe: "Porous gamma-Alumina Membrane Modified with Ultratine Zirconia Porticles Prepared by Reversed Micelles Method" Prep.Pap.Am.Chem.Soc.,Piv.Fuel Chem.38. 352-357 (1993)
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[Publications] Z.Y.Li: "Preparation of Palladiam-Silver Membrone for Hydrogen Separation by Spray Pyrolysis Method" J.Memb.Sci.78. 247-254 (1993)
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[Publications] 草壁,克己: "逆ミセル法による金属酸化物微粒子の合成とその応用" ケミカルエンジニヤリング. 38. 569-573 (1993)
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[Publications] T.Yamaki: "Control of the Pore Characteristics of Thin Alumina Membranes with Ultrafine Zirconia Parfules Prepared by the Reversed Micellec" J.Memb.Sci. 85. 167-173 (1993)
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[Publications] S.Yan: "Thin Palladium Membrane Formed in Support Pores by Metal-Organic Chemical Vapor Deposition Mothed and Application" Ind.Eng.Chem.Research. 33. (1994)