1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650875
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
卜部 格 大阪大学, 工学部, 教授 (60029246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 哲也 大阪大学, 工学部, 助手 (00222399)
根来 誠司 大阪大学, 工学部, 助教授 (90156159)
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Keywords | 酵素の改良 / タンパク質工学 / ランダム変異 / 配列空間 / B.stearothermophilus / ペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
タンパク質工学による酵素改良の手段として部位特異的変異とともに、ランダム変異も有力な方法として認められつつある。ランダム変異の特徴は、目的とする酵素の立体構造に関する情報を必要としない点であるが、一方、目的とする酵素の性質が、少数のランダムなアミノ酸置換の導入により、どの方向にどの程度変化するものかを知っておくことが重要となる。つまり、その酵素近傍のアミノ酸配列空間の様子を知っておれば、目的とする改良型酵素が容易に得られるかどうか、また、そのためにはどの方向の変異を積み重ねれば良いかといった情報を得ることができる。 本研究では、耐熱性有用酵素であるBacillus stearothermophilus由来のペルオキシダーゼの機能改良の指針を得るために、本酵素近傍の配列空間に存在する変異型酵素をランダム変異により多数調製し、各種性質がその空間内でどのように変化しているかを明らかにしようとした。 まず、B.stearothermophilusからクローニングしたペルオキシダーゼ遺伝子を、亜硝酸などの変異剤で処理した後、ベクターに組み込んで大腸菌を形質転換し、ランダムに変異が導入された酵素遺伝子のライブラリーを作製した。得られたライブラリー中の82のクローンについて、ペルオキシダーゼおよびカタラーゼの比活性を測定した。また、耐熱性についても全クローンについて測定した。 以上の測定結果をもとに、本酵素の配列空間において、ペルオキシダーゼ活性、カタラーゼ活性という異なった指標について、現在の野性型酵素がどの位置に存在しているかを解析したところ、位置の高さは耐熱性が最も高く、次にカタラーゼ活性、ペルオキシダーゼ活性の順であった。
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