1993 Fiscal Year Annual Research Report
新品種育成のための細胞融合による遺伝変異の拡大とその分子的基礎の解析
Project/Area Number |
04660002
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
新関 稔 弘前大学, 農学部, 教授 (40001490)
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Keywords | oryza sativa / Glycine max / Medicago sativa / Lotus corniculatus / 体細胞融合 / 核DNA / ミトコンドリアDNA / 葉緑体DNA |
Research Abstract |
体細胞雑種の核やオルガネラのDNAを解析することにより、細胞質改良の技術として期待される細胞融合を植物育種に利用していくための基礎知見を得ることを目的とした。 1.イネとダイズの雑種カルス:親及び雑種カルスの全DNAをBam HIとEco RIで消化した後に、葉緑体ゲノミックDNA P7とB1をハイブリダイズさせたところ雑種カルス6系統は全てダイズと同じフラグメントパターンを示した。またrDNAのpRR217をプローブとしたときも雑種カルスはダイズと同じフラグメントパターンを示した。 2.バーズフット・トレフォイルとアルファルファの雑種カルス:全DNAをBam HIとHind IIIで消化後、葉緑体ゲノミックDNA P2、P7、B1をハイブリダイズしたところ、雑種カルスはバーズフット・トレフォイルと同じフラグメントパターンを示した。 3.ダイズとバーズフット・トレフォイルの雑種カルス:全DNAをBam HIで消化してP2、P7、B1をプローブとしてハイブリダイズしたところ、バーズフット・トレフォイルと同じバンディングパターンを示した。またpRR217をハイブリダイズさせた結果も同様であった。 葉緑体DNAの結果から、体細胞雑種カルスの細胞内に於いてどちらか一方の親由来の葉緑体ゲノムが残ることが示唆された。またミトコンドリアゲノムについては、新たな断片の出現や両親の断片の混在等の変異が見られたが、葉緑体の場合と同じ側の親に近いものが残った。イネとマメ科3植物間の体細胞雑種に於いて、葉緑体ゲノムは比較的早期に分離してしまい、その再機構の機会は少ないと思われる。
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Research Products
(1 results)