1992 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における都市レクリエーション空間の在り方に関する研究
Project/Area Number |
04660024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下村 彰男 東京大学, 農学部, 助手 (20187488)
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Keywords | 都市活動 / レクリエーション / 名所 / 盛り場 / 空間演出 |
Research Abstract |
本研究は、わが国において真に楽しめる都市レクリエーションの活動形態の特質と、それを支える都市レクリエーション空間の在り方を明かにすることを目的とする。2年研究の初年度である今年度は、近世後期における名所や盛り場など都市レクリエーション地でのレクリエーション活動や空間形態に関して調査・考察を行った。注目すべき内容として、下記の点が特記される。 (1)レクリエーション空間の立地と構成 ・水系との関連性が大変深く、全ての対象地で、何等かの関わりが見られる。具体的なレクリエーション活動の場や素材とする他、アプローチ(空間面、活動面)の演出、場のイメージ形成の要素などの面でも重要な位置づけがなされていた。 (2)レクリエーション活動の形態 ・レクリエーション活動自身が未分化な状態であり、付帯する諸活動をも含めて、複合的に「時間」を楽しむ演出がなされていた。準備やアプローチなどすら、活動の一環として楽しんでいたと言える。 (3)管理・運営のシステム ・幕府による空間整備や、イベント、その他の広報活動が行われ、現代における利用促進策と同質の内容が既に確認できた。 次年度以降においては、それらの形態や特質が、近代以降どの様に変容してゆくかを明らかにする。欧米化、近代化の影響を強く受け始める明治期以降の、レクリエーション空間や活動形態の変遷プロセスを調査すると共に、その過程で変質するもの、不変なものを明らかにして、わが国における都市レクリエーションの特質を考察する。
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