1993 Fiscal Year Annual Research Report
果実生産に関する研究のための栽培品種とその野生種との比較研究
Project/Area Number |
04660031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 良茂 京都大学, 農学部, 助教授 (60026614)
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Keywords | 果実生産 / 果実肥大 / 梨の野生種 |
Research Abstract |
1.平成4年度に収集したホクシマメナシ(Pyrus betulaefolia)、アオナシ(Pyrus hondoensis)、ニホンヤマナシ(Pyrus serotina)、マメナシ(Pyrus calleryana)および栽培品種の長二十世紀(Pyrus serotina)、二十世紀(P.serotina)、愛宕(P.serotina)、の果実について,これらの果実肥大について細胞組織学的な調査研究を行いつつある。平成4年度に採集したニホンヤマナシおよびアオナシの穂木を、圃場に栽植されている栽培種に高接ぎした結果、ニホンヤマナシ4個体の高接ぎに成功した。次年度からの開花結実を試みる。その後、新たに21個体からの接穂の採集を行い今年度末に高接ぎをする予定である。平成5年度の春の開花期における野性種の花器の採集調査の結果、花柄の長さでは1.46cmから4.01cm、花弁の大きさ(縦径×横径)で147mm^2から349mm^2の変異がみられた。この他に毛の粗密にも変異がみられた。これらと採取地の地形等をも考慮して5群に分け以後の調査群とした。開花1カ月後の果実の大きさでは、横径で9.8mから11.3mまでの変異がみられた。また、収穫時の果汁の可溶性固形物含量においても、7.7%から13.9%までと大きな変異がみられ、栽培種の交配実性における変異とたいへんよく似ていた。平成4年度に採集できなかった野性種や栽培品種(大果形の和ナシ、西洋ナシ、中国ナシなど)の果実の収集をした。また、摘果樹と無摘果樹とから果実を収穫した。これらについての細胞組織学的な調査研究を行いつつある。 5.モモについては栽培品種の“紅清水"および野性種の“おはつもも"と高槻産野生モモについて細胞組織学的な調査研究を行いつつある。
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