1992 Fiscal Year Annual Research Report
CMV外被蛋白質発現形質転換植物のウイルス抵抗性機構とウイルス感染初期過程の解析
Project/Area Number |
04660050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥野 哲郎 京都大学, 農学部, 助教授 (00221151)
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Keywords | キュウリモザイクウイルス / 形質転換植物 / 植物分子育種 / 外被蛋白質 / ウイルス抵抗性 |
Research Abstract |
CMVゲノムRNA1,2および3のcDNAクローンの作成状況 CMV-Y株のRNA3については、すでに作成した3'端の7塩基だけが欠けているcDNAにその部分を補足して完全長のRNA3を含むcDNAクローンを作成した。ウイルスRNA複製に必要なトランス因子1aと2aをコードしているRNA1とRNA2のcDNAクローンについては、CMV-CS株のRNAを用いて、PCR法によってRNA1とRNA2それぞれの全長を含むと思われるcDNAを作成できたが、現在のところこれらのcDNAを含むプラスミドの大腸菌におけるクローニングは成功していない。この問題を解決するため、CMV-Y株のRNA1と2のcDNAをPCRによって合成し、それぞれを3-4のDNA断片に分割した後、それらのcDNA断片のクローンを得た。現在、それらのcDNAを再統合したcDNAクローンの作成を行っている。 BMV RNA3の感染性cDNAクローンとCMV-Y株RNA3のcDNAクローンを用いてBMVのCP遺伝子をCMVのCP遺伝子で置換する計画はほぼ完成したところである。今後、本cDNAのin vitro転写産物(変異BMV RNA 3)をBMV RNA1と2のin vitro転写産物とともにタバコあるいはオオムギプロトプラストに接種し、変異RNAの複製、CP遺伝子の発現、さらに粒子形成を調べる。 CMV-CS、Pepo、FT株のRNA3のcDNAクローンは作成できた。これらを用いて、それぞれのCPと3aタンパク質遺伝子の塩基配列及びアミノ酸配列はすでに決定した。 (これら以外の研究成果) CMV CP発現形質転換体のCMV抵抗性はサテライトRNAを持たないCMVに対しては弱まることが分かった。また、CP発現体を高温下(32-34C)に置くと、CP蓄積量の減少と同時にウイルス抵抗性が激減することが分かった。
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[Publications] Okuno,T.,et.al.: "Comparative susceptibility of transgenic tobacco plants and protoplasts expressing the coat protein gene of cucumber mosaic virus to infection with virions and RNA" Phytopathology. 83. (1993)
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[Publications] Okuno,T.,et.al.: "Cucumber mosaic virus coat protein-mediated protection" Seminars in Virology. (1993)
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[Publications] 奥野 哲郎: "キュウリモザイクウイルス遺伝子による抵抗性植物の育種とウイルス抵抗性機構" 植物細胞工学. 4. 85-91 (1992)