1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660059
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture & Technology |
Principal Investigator |
小野 直達 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30015094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野見山 敏雄 東京農工大学, 農学部, 助手 (20242240)
梅木 利巳 東京農工大学, 農学部, 教授 (10091365)
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Keywords | 大規模養蚕複合経営 / 経営方式 / 経営管理手法 / 生産管理 / 労務管理 / 販売管理 / 情報管理 / 農業技術 |
Research Abstract |
とりまとめの最終年度である本年度は、前年度に引き続いて養蚕トップ農家を中心にして,主に個別農家を調査対象として,経営管理の実態解明に追った。県別では,福島,栃木,千葉の養蚕トップ農家を調査分析し、以下の結果を得た。労働力条件は3〜4人の構成であり,つまり二世代の構成で,恵まれた内容であった。当該農家の場合、共通的性格として養蚕部門に限らず,複合部門である稲作,野菜,肉用牛部門のいずれの部門にも意欲的に取組み,農業専業経営として,かつ地域の農家リーダーとして活躍が見られた。また経営耕地の大きさ、農業機械や建物への積極的投資も伴っており、経営規模および農家規模の大きい経営であった。農業技術の点では,新技術への取組みも見られ,一部は機械化体系への志向を強めていた。農業生産は養蚕部門を柱としながらも他部門との連携をつよめ、粗収益額では約一千万円に近い収入となっていた。なお、養蚕の場合、繭価の低迷が主な原因となって,生産規模の縮小が見られ,他方野菜部門への転換が強まる傾向となっていた。生産性の点からは,意欲的な経営への取組みの反映として,地域の平均を上回る結果となっていた。とくに養蚕部門では相対的に高い単収を発揮しており,これは当該農家の経営主による生産管理の充実を推察しうる。 要するに、本年度の調査結果からは、経営主が経営管理の担い手であるが,なお生産から販売管理まで経営主の判断に依拠していた。
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[Publications] 野口忠久・小野直達 他: "先進地養蚕の展開と壮蚕用自動飼育装置導入農家群の経営構造" 東京農工大学農学部農場研究報告. 14. 23-30 (1992)
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[Publications] 小野直達: "中核的優良養蚕農家・階層のコスト低減策" 蚕糸科学と技術. 32-1. 20-25 (1993)
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[Publications] 小野直達: "大規模養蚕農家の経営実態とコスト軽減方策" 蚕糸科学と技術. 33-1. 1-3 (1994)
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[Publications] 野見山敏雄: "「有機農産物」の流通と産直の条件" 東京農工大学 人間と社会誌. 4. 59-74 (1993)