1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660067
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永塚 鎮男 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (00090994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 和子 駒沢大学, 文学部, 教授 (00101329)
富川 昭男 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (90015660)
東 照雄 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (20094170)
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Keywords | 赤色系土壌 / 隆起サンゴ石灰岩 / 喜界島 / 土壌生成速度 |
Research Abstract |
喜界島は、奄美大島の北東25Kmに位置し、隆起サンゴ礁からなる小島であるが、隆起速度が極めて速い(1ないし2mm/年)ごとで世界的に有名な島である。新第三系(早町層)をおおう第四紀後期のサンゴ石灰岩からなる高度の異なった段丘が多数発達しており、これらの段丘上に分布している土壌は、サンゴ石灰岩からの土壌発達年代系列を示しているものと考えられる。 本年度は、喜界島において、一週間にわたる野外調査を行った。離水年代を異にするサンゴ石灰岩上の土壌断面調査(10断面)と試料の採取を行い、現地における段丘面との対応関係について調べた。また、土壌試料(風乾細土)の一般的理化学性の分析を一部行った。その結果、次のようなことが明かとなった。 喜界島では、離水年代にほぼ対応して、レンジナ様土→テラフスカ様土→テラロッサ様土→テラロッサ様土と赤黄色土の移行型の発達段階があると考えられた。上の述べた順に、土壌のpHは、規則的に低下した。特に、最高所(標高224m)の百之台付近に分布する土壌のpH(H_2O)は、5.4ないし6.9、塩基飽和度は66ないし83%と赤黄色土よりも高い値を示すことから、テラロッサ様土と赤黄色土の中間型と考えられた。この土壌の生成期間が12ないし12.5万年と推定されることから、南西諸島において、サンゴ石灰岩から赤黄色土が生成するためには、12.5万年以上が必要であると考えられる。なお、土性分析の結果から、一部の試料に、比較的多量のシルト粒子が存在していた。また、腐植酸はRp型を主体としていた。
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