1992 Fiscal Year Annual Research Report
酵母のアミノリン脂質生合成の分子機序とその小胞体膜形成における役割の解明
Project/Area Number |
04660080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 明徳 東京大学, 農学部, 助教授 (30125885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 正道 東京大学, 農学部, 教授 (50018339)
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Keywords | ホスファチジルセリン / ホスファチジルエタノールアミン / Kennedy経路 / Saccharomyces cerevisiae / 酵母 / 生体膜 / 小胞体 / リン脂質 |
Research Abstract |
1.ホスファチジルセリンシンターゼ(PSS)遺伝子の改革と膜へのアセンブリ機構の分析 この酵素は小胞体に局在する膜結合酵素であるが、アミノ未端領域は親水性で、これをコードする遺伝子CHO1と大腸菌lacZ遺伝子を融合させた。β-ガラクトシダーゼをレポーターとする解析では、PSSのアミノ未端114アミノ酸残基まででは、β-ガラクトシダーゼに小胞体結合性を与えることはできない。現在、この領域の酵素の酸素アセンブリにおける意義を解析するため、部位特異的変異を導入している。 2.エタノールアミンリン酸ミチジリルトランスフェラーゼ(ECT)の欠損変異相補遺伝子のクローン化 ECTはKennedy経路上の重要な酵素で、この酵素の活性が低下した酵母変異株(ect)は、同時にCHO1が欠損している場合、親株と違ってエタノールアミン存在下でも生育できない。そこでect,chol二重変異株にura3変異を導入してから、コピー数が小さく、安定なベクターYCp50上に構築された酵母遺対子ライブラリーを検索して、エタノールアミンを利用しての生育を可能とする3種のプラスミドを得た。制限酵素断点地図の分析の結果、これらには共通の領域があり、その領域を有するプラスミドは上記二重変異株のエタノールアミン利用能とECT活性を回復させることができた。これらの点から、クローン化したDNAは、ECT遺伝子をコードしている可能性が高いと判断し、現在3.2Kbのこの領域のヌクレオチド配列を分析している。 3.ホスファチジルセリンデカルボキシラーゼの遺伝子(PSD)のクローン化 残念ながら、CHO細胞由来PSD遺伝子と酵母のそれとはホモロジーが低いらしく、ハイブリダイゼーションにより有意のシグナルはない。
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