1993 Fiscal Year Annual Research Report
殺虫性タンパク質delta-内毒素リセプターの抽出と解析
Project/Area Number |
04660093
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
姫野 道夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (10026411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 憲治 大阪府立大学, 農学部, 助手 (40196746)
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Keywords | BT剤 / Bacillus thuringiensis / リセプター / カイコ中腸 / 糖タンパク質 / delta-内毒素 |
Research Abstract |
Bacillus thuringiensis(Bt)の生産する結晶様タンパク質はdelta-内毒素として知られている。このdelta-内毒素は無公害殺虫剤、BT剤として利用されている。このBT剤の殺虫特異性を決定する因子として中腸上皮細胞刷子縁膜(BBM)に存在するリセプターであると考えられている。そこでカイコのBBMよりBt var.aiza waiの生産するCryIA(a)に対するレセプターを抽出しその特性を明かにすることを目的としている。 大腸菌にクローン化されたCryIA(a)遺伝子産物を抽出精製し使用した。リセプターはカイコより中腸上皮細胞刷子縁膜小胞を作成しデオキシコール酸にて溶解し抽出を進めた。まず、上記精製CryIA(a)をトリプシン消化し活性化した画分をTresyl‐Toyopearlに吸着させ、アフニテイーカラムを行つた後、活性画分をDEAE‐Toyopearlカラムを通し、比活性235倍にまで精製を行つた。この180kDaタンパク質は特異的に活性なdelta-内毒素に結合するものである。SDS‐PAGE後、N末端のアミノ酸配列解析をおこなつたがN末端はブロツクされてい解析することができなかつた。そこで180kDaタンパク質を電気泳動後、リシルエンドペプチダーゼ処理を行い切断、断片化の後、ペプタイドを逆相カラムにかけ分離した。その中より分離が良いピークを選んでペプチドのN末端アミノ酸配列を気相ペプチドシークエンサにかけ分析した。その結果、6ペプチドのN末端配列を解析することができた。この配列をホモロジー検索にかけたがホモロジーの高いタンパク質を見い出すことが出来なかつた。次いで、この可溶化タンパク質とdelta-内毒素の反応はレクチンにより阻害されることを明らかにした。特に、コンカナバリンAに加えWGAとも反応する事を示した。カイコ中腸刷子縁膜に存在するCryIA(a)のリセプターは分子量180kDaの糖タンパク質で有ることを示しそのペプタイドのアミノ酸配列のの一部を明らかにした。
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