1994 Fiscal Year Annual Research Report
殺虫性タンパク質δ-内毒素のリセプターの抽出と解析
Project/Area Number |
04660093
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Research Institution | University of Osaka Prefecture, College of Agriculture |
Principal Investigator |
姫野 道夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (10026411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 憲治 大阪府立大学, 農学部, 助手 (40196746)
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Keywords | BT剤 / Bacillus thuringiensis / リセプター / カイコ中腸 / BBMV / δ-内毒素 |
Research Abstract |
Bacillus thuringiensis(Bt)の生産する結晶様タンパク質はδ-内毒素として知られている。このδ-内毒素は無公害殺虫剤、BT剤として利用されている。このBT剤の殺虫特異性を決定する因子として中腸上皮細胞刷子縁膜(BBM)に存在するリセプターであると考えられている。そこでカイコのBBMよりBt var.aizawaiの生産するCryIA(a)に対するレセプターを抽出しその特性を明らかにすることを目的とした。 KnightらやSangdalaらはCryIA(C)に対するリセプターをタバコスズメガより抽出し、その分子量120kDaのアミノペプチターゼと65kDaのアルカリフォスファターゼであることを示した(1994)。また、Indrasithらはカイコ中腸よりBt var.kurstaki HD-1由来のCryI内毒素に対するリセプターとして220kDa,150kDa,130kDaタンパク質としている(1992)。そこで本年はCryIA(a)に対するカイコ中腸のリセプタータンパク質はアミノペプチターゼ及びアルカリフォスファターゼ活性を有するかどうかを明らかにするためリセプターの抽出過程を通してアミノベプチターゼ活性及びアルカリフォスファターゼ活製を測定した。その結果δ-内毒素との結合活性に比例してそれらの酵素は上昇し無いし、可溶化BBMVのSuperdex200によるゲル濾過パターンにおいてもδ-内毒素内毒素の結合性とアミノペプチターゼの活性ピークとは異なることが明らかとなつた。またアルカリフォスファターゼとも異なるものであつた。カイコ中腸に存在するCryIA(a)のリセプタータンパク質の分子量は180kDaと170kDaの可能性を示して来たが、抽出の過程を通して種々のプロテアーゼ混液を用いて精製すると180kDaタンパク質のみが抽出されて来ることより170kDaタンパク質は180kDaタンパク質の分解物と結論しカイコ中腸のCryIA(a)に対するリセプターは本研究で明らかにしてきている180kDaタンパク質であると結論した。
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[Publications] T.Uemura,H.Ihara,A.Wadano,M.Himeno: "Fluorometric Assay of Potential Change of Bombyx nori Midgut Brush Border Membrane lnduced by δ-Endotoxin from Bacillus thuringieusis" BIosci.Biotech.Bioclem. 56(2). 1976-1979 (1992)
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[Publications] M.Himeno: "Mode of Action Bacillus thuringiensis lnsectisidal Toxin." Jnternational Symposium of University of Osaka Profecture on Grobal Amenity.Proceedings. 425-432 (1992)
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[Publications] 姫野道夫: "感染症の生体防御の基本的系理;昆虫病原菌の生産する殺虫性タンパク質" 第67回日本細菌学会総会, 58-69 (1994)