1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660096
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
枡重 正一 東京農業大学, 農学部, 教授 (70078153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 祐司 東京農業大学, 農学部, 助手 (50240130)
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Keywords | ビタミンA / ビタミンA結合タンパク / 核内受容体 / 遺伝子発現調節 / 応答性配列 / RXRアイソフォーム |
Research Abstract |
脂溶性ビタミンであるビタミンAの生体内における生理作用発現機構は未だ不明な点が多いのが現状である。そこで、本研究では血中ビタミンA濃度調節機構並びに転送機構、及び核内受容体を介した生理作用発現機構解析を目的にビタミンAの生理作用発現機構の一端を分子生物学的手法を用いて解析を行なった。血中レチノール結合蛋白質(RBP)及び甲状腺ホルモン結合蛋白質(TTR)は複合体を形成して肝臓からビタミンA(レチノール)分子を安定化して血中を標的器官まで転送する以外その生理作用は不明である。著者らは、大腸菌を用いたin vitro蛋白質合成系にてTTR蛋白質を大量調製し、血中ビタミンA転送機構における新たな生理作用の解明も試みた。現在、蛋白質発現ベクターであるpET3aベクターにラット肝臓cDNAライブラリーよりRT-PCR法にて取得したラットTTRcDNAを組み入れることに成功した。構築したTTR発現ベクターを宿主大腸菌にトランスフォームしIPTG添加によりTTR蛋白質の発現を試みている。一方、核内受容体蛋白質のうちビタミンAの活性型である9-シス-レチノイン酸をリガンドとするレチノイドX受容体(RXR)betaが甲状腺ホルモンによりその遺伝子発現量が制御されることを既に報告したが、その制御機構がRXRbeta遺伝子プロモーター内に存在する甲状腺ホルモン応答性配列(TRE)を介した調節機構なのかを検討している。更に、ラットRXRbeta遺伝子には複数のIsoformが存在する可能性を示唆した。本実験系により生体内ビタミンAの生理作用調節機構の一部がビタミンAのみならず他の因子によっても調節されることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Mano,R.Mori,T.Ozawa,K.Takeyama,Y.Yoshizawa,R.Kojima,Y.Arao,S.Masushige and S.Kato: "Positive and negative regulation of retinoid X receptor gene expression by thyroid hormone in the rat;Transcriptional and post‐transcriptional controls by thyroidhormone." J.Biol.Chem.269. 1591-1594 (1994)
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[Publications] H.Mano,T.Ozawa,K.Takeyama,Y.Yoshizawa,R.Kojima,S.Katoand S.Masushige: "Thyroid hormone affects the gene expression of retinoid X receptors in adult rat." Biochem.Biophys.Res.Commun.191. 943-949 (1993)
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[Publications] S.Kato,H.Mano,T.Kumazawa,Y.Yoshizawa,R.Kojimaand,S.Masushige: "Effect of retinoid status on alpha,beta,and gamma retinoic acid receptor mRNA levels in various rat tissues." Biochem.J.286. 755-760 (1992)