1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660096
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
舛重 正一 東京農業大学, 農学部, 教授 (70078153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 祐司 東京農業大学, 農学部, 助手 (50240130)
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Keywords | レチノイド / レチノイン酸 / 異性化 / 9,13-dicis-レチノイン酸 / トラレスサイレチン(TTR) / TTRのドメイン |
Research Abstract |
本研究課題による最終年度であるが、今年度は次にまとめる成果を得た。 (1)遺伝子の転写調節に関与する核内受容体のリガンドとして、all-trans-レチノイン酸(ATRA)と9-cis-レチノイン酸(9CRA)が知られている。ATRAはRARに、9CRAはRXRに結合して機能するが、ATRAを投与してもRXR依存的な遺伝子も制御されることが知られている。そこで生体内におけるレチノイン酸の相互異性化について研究した。まず、各異性体の高速液体クロマトグラフ法(HPLC)による分離条件を確立した。次いで、通常ラット血清を測定したところATRAと13-cis-レチノイン酸(13CRA)が検出されたが、9CRAは検出されなかった。これに対しビタミンA欠乏ラットではいずれの異性体も検出されなかった。この欠乏ラットにATRAを経口投与した4時間後の血清ではATRA、13CRA、9CRAと未知なピークが現われたがこれは9,13-dicis-RA(913DCRA)と同定された。9CRAを投与しても同様な結果が得られ、生体内で相互異性化の起こることが証明された。そこで、経時試験を行った結果、経口投与30分でこれらの変化は起こっており、しかも胃や血清内での変化ではないことが示された。これら異性化はリガンド特異的な遺伝子発現レベルでも確認された。 (2)Transthyretin(TTR)は分子量14KDaのサブユニットが四量体を構成した甲状腺ホルモン結合タンパク質である。また、TTRは血中においてretinol-binding protein(RBP)と複合体を形成し、retinol(ROH)転送に係わっている。本研究では、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)によりN末端側の機能が隠蔽された融合TTRをin vitroで合成し、TTRの機能領域の解析を行った。その結果、RBP、および甲状腺ホルモンの結合領域が近接しN末端側に存在する可能性が示唆された。一方、四量体形成に係わる領域はC末端側に存在する可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Mano,R.Mori,T.Ozawa,K.Takeyama,Y.Yoshizawa,R.Kojima,Y.Arao,S.Masushige and S.Kato: "Positive and negative reguration of retinoid X receptor gene expression by thyroid hormone in the rat;Transcriptional and post-transcriptional controls by thyriod hormone" J.Biol.Chem.269. 1591-1594 (1994)
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[Publications] H.Mano,T.Ozawa,K.Takeyama,W.Yoshizawa,R.Kojima,S.Kato and S.Masushige: "Thyroid hormaone Affects the gene expression of retinoid X receptor in adult rat" Biochem.Biophys.Rcs.Commun.191. 943-949 (1993)
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[Publications] S.Kato,H.Mano,K.Kumazawa,Y.Yoshizawa,R.Kojima and S.Masushige: "Effect of retinoid status on α,β,and γ retinoic acid receptor mRNA levels in various rat tissues" Biochem.J.286. 755-760 (1992)
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[Publications] R.Kojima,---,S.Masushige,and S.Kato: "In Vivo Isomerization of Retinoic Acids-Rapid isomer exchange and gene expression" J.Biol.Chem.269. 32700-32707 (1994)