1992 Fiscal Year Annual Research Report
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04660100
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
西川 義尚 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (20109953)
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Keywords | 糖蛋白 / リピド中間体 / 体細胞変異株 / FM3A細胞 / cDNAクローニング / 糖転移酵素 |
Research Abstract |
マウス乳癌由来FM3A細胞から、[2-^3H]マンノースを用いたトリチウム自殺法による選択的濃縮を経て分離されたG258株は、単一変異でリピド中間体生合成に関して温度感受性を示し、かつ、細胞増殖に関して温度感受性を示す。このことから、G258株の細胞増殖に関する温度感受性からの回復を指標に、G258株のリピド中間体生合成変異に相補的なcDNAの分離が可能になった。 今年度はG258株のリピド中間体生合成変異に相補的なcDNAの分離を試みた。G258株は、親株のFM3A細胞と同様に球状の浮遊細胞であるので、DNA移入効率が非常に悪い。日本でFM3A細胞を用いた体細胞変異株が多く分離されているが、それらの変異株を用いたcDNAクローニングの成功例は一例のみである。G258株におけるDNA-リン酸カルシウムゲル共沈法によるジェネティシン耐性マーカーの移入効率は、ポリリジンでコートしたディッシュに、低血清培地で細胞を接着させた場合でも10^<-5>〜10^<-6>である。また、電気穿孔法ではジェネティシン耐性マーカーの移入効率は10^<-4>である。この電気穿孔法によってpcD2ベクターに組み込まれたヒト肝臓cDNAライブラリーによるG258株の第一次形質転換候補株の分離を試み、得られた候補株から、アンピシリン耐性を指標に、cDNAクローンを大腸菌DH-1株に回収した。しかし、得られた一例は、pcD2ベクターそのものであることが、制限酵素による消化断片のアガロース電気泳動による泳動パターンから判明した。G258株のリピド中間体生合成変異に関する自然復帰変異株にpcD2ベクターそのものが移入されたことが考えられる。現在は、電気穿孔法による移入を更に試みるとともに、移入効率が良い他の方法を開発中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 西川 義尚: "リピド中間体生合成とその調節" 生化学. (1993)
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[Publications] 西川 義尚: "国際学会参加報告ー第11回複合糖質シンポジウムに出席して" 日本農芸化学会誌. 66. 956-958 (1992)
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[Publications] 石永 正隆・西川 義尚: "国際学会参加報告ー「複合糖質代謝にかかわるドリコールおよび他の脂質」のミーティングに出席して" 日本農芸化学会誌. 66. 179-180 (1992)
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[Publications] 西川 義尚: "Mini Review:Branching of N-and O-glycans:Biosynthetic Controls and functions.(H.Schachter)の和訳." Trends in Glycoscience and Glycotechnology. 4. (1992)
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[Publications] 西川 義尚: "「グリコバイオロジーシリーズ」第2巻(永井 克孝編)" 講談社サイエンティフィク,
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[Publications] 西川 義尚: "「生物薬科学実験講座」第1部4 第2巻(川嵜 敏祐 編)" 広川書店,