1993 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の凝集を担う多糖分子の相互作用と凝集の分子機構
Project/Area Number |
04660104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多胡 義孝 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (70111573)
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Keywords | 細菌の凝集 / 多糖の立体構造 / イオン強度 / 多糖の分子量と立体構造 / 多糖分子の相互作用 / アンチパラレル / 二本鎖立体構造 / 凝集の分子機構 |
Research Abstract |
Pseudomonas sp.no.12のフロック形成を担っている細胞表層高分子多糖(MPS)はペプチドグリカンと会合した疎水性の高い蛋白(AP)とO-グリコシド結合している。MPS分子はイオン強度に対応し互いに相互作用し、アンチパラレルな立体構造を形成し細胞の凝集がなされる。このMPS分子の相互作用におけるイオン強度、MPSの分子サイズ、側鎖GlcNAcの役割などについて抽出精製したMPS.MPS-APを使用し解析した結果以下の知見を得た。 1.MPS分子の形成する凝集型立体構造はアンチパラレルな二本鎖構造である。 2.アンチパラレルな二本鎖の立体構造は側鎖GlcNAcを除去しても形成される。 3.MPSの側鎖GlcNAcのN-Acetyl基を除去すると二本鎖構造をとれなくなる。 4.MPS分子によるアンチパラレルな二本鎖の立体構造形成は極めて特異性が高く他の種々の多糖、少糖、単糖によって阻害されない。 5.二本鎖立体構造形成はMPS濃度が高ければ低いイオン強度で完了し、MPS濃度が低ければ高いイオン強度を必要とする。 6.上記5より二本鎖立体構造はイオンを介さず形成されると考察される。 7.分子サイズの大きなMPSは低濃度、低イオン強度で二本鎖構造を形成でき、低分子MPSは高濃度、高イオン強度を必要とし、分子サイズが約4万以下のMPSは200mM NaClという高イオン強度下でも二本鎖構造を形成できない。
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