1992 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌オートシンオペロンの転写調節と多面形貭遺伝子の作用部位
Project/Area Number |
04660110
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
関口 順一 信州大学, 繊維学部, 教授 (80111053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 章夫 信州大学, 繊維学部, 助手 (50205241)
|
Keywords | オートリシンオペロン / 自己溶解酵素 / 多面形貭遺伝子 / 細胞壁溶解酵素 / 枯草菌 / 転写発現調節 / flaD変異 / シグマD遺伝子 |
Research Abstract |
枯草菌主オートリシン遺伝子(cwlB)は上流にリポタンパクをコードするlppX遺伝子、オートリシン活性を修飾するタンパクをコードするcwbA遺伝子があるが、cwlB下流以外には適当なターミネーター構造が認められない為オペロンの形成が考えられた。そこで枯草菌からmRNAを抽出し、cwlB遺伝子をプローブとしたノーザンハイブリダイゼーションを行ったところ、401kbの転写物が認められた。それゆえ転写開始点はlppX上流に存在すると推測される。次にlppX上流領域を種々のサイズで欠失したオートリシンオペロンを持つプラスミドを構築し、オートリシン活性を調べたところ、lppX翻訳開始点上流98bpまでが転写に必要な領域であった。そこでlppXの5'末端住近の配列に相補的なプライマーを合成し、プライマー伸長法により転写開始点を調べたところ、2箇所に転写開始点が認められた。その内上流の転写開始点(Pa)は各種σのコンセンサスとの比較からσ^Aで転写されると考えられる。一方その下流に主要な転写物を作る開始点(Pd)があり、その付近にσ^Dコンセンサス配列が認められた。そこでσ^D転写であるか明瞭にするため、σ^D欠損の枯草菌変異株よりmRNAを抽出し、プライマー伸長分析を行ったところ、σ^D転写間始点からの転写は完全に抑えられた。一方多面形貭の変化を示すsin(flaD)変異株においてcwlBオペロンの転写を調べたところ、σ^A、σ^D両転写開始点からの転写が完全に抑圧された。そしてsin(flaD)変異の標的部位は翻訳開始点から54塩基上流までに存在した。それゆえsin(flaD)変異は転写のレベルでオートリシンの発現を制御していた。
|