1993 Fiscal Year Annual Research Report
極限条件下で安定な繊維質分解酵素の機能特性とその有効利用-耐熱性(100℃)・耐酸性(pH1.0)キシラナーゼ-
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04660114
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
嶋田 協 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024549)
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Keywords | 耐酸性キシラナーゼ / 耐熱耐アルカリ性キシラナーゼ / パルプ処理 / 耐酸性青かび / 好熱嫌気性細菌 |
Research Abstract |
耐酸性、耐熱耐アルカリ性の2種のキシラナーゼを生産させることを検討し、その酵素的な性質を調べるとともに、パルプ処理の際の添加効果を検討した。その結果、次のことが明らかとなった。 1.耐酸性キシラナーゼは、当研究室で分離したPH1.0で生育する青かびにより生産させた。その生産条件を種々検討した結果、PH2.0の強酸性下で培養し、誘導物質を添加することにより、酵素を生産させることが可能となった。 生産された酸性キシラナーゼはPH2付近で安定であり、また、作用至適PHも強酸性であった。液体培養又はふすま固体培養により生産された粗酵素液はセルラーゼを混していないので、そのままパルプ処理に使用することが可能であった。 2.得られた粗酵素を用いて強酸性下でパルプ処理を行うと、塩素との組み合せによって漂白(脱リグニン)が促進され、塩素の使用量を減少させることが可能となった。 3.当研究室で分離した好熱嫌気性細菌のキシラナーゼ遺伝子を大腸菌に組み込み、著量の酵素を生産させることに成功した。この遺伝子操作によって得られた耐熱耐アルカリ性キシラナーゼを用いて、パルプを処理した結果、耐酸性キシラナーゼに較べて、効果が劣ることが判った。
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