1992 Fiscal Year Annual Research Report
異種核間相互作用に基づく高感度四級炭素観測法の開発と天然物の構造解析への応用
Project/Area Number |
04660127
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川端 潤 北海道大学, 農学部, 助教授 (60142197)
|
Keywords | NMR / INEPT / DEPT / INEPTリレー法 / DEPTリレー法 |
Research Abstract |
四級炭素とその隣接炭素間の結合の証明法として、まず天然存在比の低い^<13>C核の高感度測定法として広く用いられているINEPT法を利用したCCリレー観測法について検討し、INEPT直後の遅延時間を適当に選ぶことによって、予想どおりメチル、メチレン、メチンの区別観測が隣接炭素上で可能となることを明らかにした。次に、新たにDEPT-CCリレー法を作成し、DEPTの角度可変^1Hパルスを適当に変化させることにより、隣接炭素上の水素数の違いを観測四級炭素のスピンの向きに反映させ、同様にこれらの区別した観測ができることも明らかにした。このとき、DEPTリレー法では対応するINEPT法よりすぐれた点として、パルスプログラム中でデータの加算、減算が容易にできるため、可変パルス幅を適当に組み合わせることにより、メチルのみ、メチレンのみ、メチンのみのシブナルをデータとりこみ後のエディティングなしにとりだすことができることもわかった。また、H-C-Cリレー法のCC部分を遠隔結合とした遠隔H-C-Cリレー法を試み、^1Jch/^3Jchのリレーによって通常のCH相関法ではえられない4結合離れた水素と炭素の相関を得ることに成功した。さらにモデル系では、両方を遠隔結合とした^3Jch/^3Jccのリレーによる6結合離れた水素と炭素の相関の検出も可能であることを明らかにした。この方法は途中の炭素がすべて四級でも問題なく、四級炭素が連続した系の解析に有効であると考えられる。
|