1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660141
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤松 美紀 京都大学, 農学部, 助手 (70183134)
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Keywords | RGD / Arg-Gly-Asp / 血小板凝集阻害 / ペプチドの疎水性 / 分配係数 / 1-オクタノール / 水 |
Research Abstract |
1.RGD(Arg-Gly-Asp)配列を有するペプチドおよびペプチド様化合物を、固相法または液相法で種々合成した。得られた化合物は高速液体クロマトグラフィーを用いて精製し、凍結乾燥機により結晶化した。血小板活性化剤としてADPを用い、それらのヒト血小板に対する阻害活性を測定した。ArgとAspの間の最適距離に関する情報を得るためにGlyを-CH_2-が1個および2個長いβ-Alaおよびγ-Abuに変換した化合物を合成したが、ほとんど活性がなく、Glyの距離が活性発現にとって最適であることがわかった。Argのguanidino基をさまざまな他の塩基性官能基に変換したペプチド様化合物に、標準ペプチドであるRGDSとほぼ同程度あるいはそれ以上の活性がみられ、guanidino基は活性発現に必ずしも必須ではないことが明かとなった。 2.合成したRGDを有するペプチドの分子全体の疎水性を評価するために、まずRあるいはDのみを含むN-アセチルトリペプチドアミドを合成し、その解離型・非解離型の1-オクタノール/水系における分配係数P'およびPを測定した。またRGD配列のArg(R)をLys(K)に、Asp(D)をGlu(E)に置換したペプチドでは活性の消失することが報告されているので、比較のためにKあるいはEのみを含むペプチドも合成し、疎水性を測定した。その結果、特にアルギニンカチオンが疎水性に対してかなり特殊な性質を示すことがわかった。この性質はRGDの活性に対しても影響している可能性がある。
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