1992 Fiscal Year Annual Research Report
バイオカタリスト電極の原理に基ずく亜硝酸センサーの構築と機能評価
Project/Area Number |
04660142
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 篤治 京都大学, 農学部, 教授 (40026422)
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Keywords | 亜硝酸センサー / バイオカタリスト電極 / チトクロムC / バイオエレクトロカタリシス |
Research Abstract |
申請者は新しい応答原理に基づく酵素機能電極の研究を進めて来た。本研究は酵素を用いずに、しかも同じ応答原理に基づく生体触媒電極をめざすもので、亜硝酸定量用のバイオセンサーを具体的な目標とした。本年度はまずチトクロムcのようなヘム基を持つタンパク質を触媒として用い、電極場でのこれらヘムタンパン質の亜硝酸還元能の詳細な検討を行った。結果の概要は以下の通りである。 1.炭素電極をもちいた電気化学測定において、溶液中にごく小量(0.4uM)のチトクロムcを存在させると亜硝酸の電解酸化が低い過電圧でおこることがわかった。 2.この亜硝酸還元電流は溶液のpHに依存し、酸性溶液で大きな電流を与えた。 3.チトクロムcのこの効果はチトクロムcを100゚Cで30分処理しても変わらなかった。 4.滴下水銀電極を用いて、この電流の性質を詳しく調べた結果、チトクロムcは電極に吸着した状態で触媒活性を示すことが分かった。 5.ヘムcの、より一般的な電極挙動を知るため関連研究としてフラボヘモプロテインの電極触媒機能を調べた(論文として発表)。 6.これらの結果をふまえて、チトクロムcを固定化した炭素電極を作成し、その亜硝酸センサーとして特性をしらべたところ、感度的には十分であるが再現生にやや問題があるという結果をえた。 以上の結果から、今後の研究の方向として、新たにヘミンのような水不溶性の低分子化合物を触媒素子として用いることも有望と思われる。また電極の基材として従来申請者が用いてきたカーボンペースト電極が大変有望であり、また新炭素素材であるPFCも検討に値すると思われる。
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Research Products
(1 results)