1993 Fiscal Year Annual Research Report
エタノールをエネルギー源とする効率的な微生物還元法
Project/Area Number |
04660149
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Research Institution | TOYAMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLGY |
Principal Investigator |
米谷 正 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (60042842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 英文 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (60174885)
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Keywords | 微生物還元法 / NAD(P)H再生 / アルデヒドデヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
付加価値の高い光学活性アルコール類を得るための有効な手法である微生物還元法において,糖の分解エネルギーを利用する方法より実用性の高い,筆者らが開発したエタノールの分解を利用する方法に関する基礎的知見を得,さらに実用性を高めることを目的とし次の二つ観点からの研究を行い,以下の成果を上げることができた。 1.エタノールから炭酸ガスへの酸化エネルギーを利用したNAD(P)H再生反応と共役する還元反応系について,それぞれ約10種のカビおよび細菌を用いて検討した。その結果,カビについてはグルコースはエネルギー源とするが,エタノールを利用する系はほとんど見いだされなかった。一方,細菌については逆にグルコースはほとんどエネルギー源とせず,エタノールを効率よく利用する細菌が多く見いだされた。 エタノールをエネルギー源とする還元系について,パン酵母を用いて詳細に検討した結果,NADHの再生はエタノールから酢酸への酸化過程と効率よく共役し,NADPHの再生は酢酸から炭酸ガスへの酸化過程と効率よく共役することが明らかになった。 2.エタノール酸化過程が効率よく還元反応と共役するSaccharomyces cerevisiae系について,酵素供給に関する培養条件と補酵素再生能の関係を詳細に検討した。その結果,より嫌気的条件で培養した酵母は補酵素再生能が著しく悪くなり,それはアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の低下によることを明らかにした。
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