1992 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニア菌をモデルとした森林土壌の共生系保持能及びその動態に関する数量的研究
Project/Area Number |
04660156
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 彰 千葉大学, 教育学部, 助教授 (50110797)
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Keywords | アンモニア菌 / 菌根 / 共生 / 担子菌 / 潜在微生物 / 土壌微生物 / バイオマス |
Research Abstract |
長野県,菅平のミズナラ(Quercus mongolica)とシラカンバ(Betula platyphylla)を主体とする林内に1992年4月26日に800g/m^2の尿素を施与し,処理後の菌根の動態とH〜A層の微小真菌量と細菌量の動態との関係を調査した。処理区には,9月にCalocybe leucocephalaが,10〜11月にHebeloma spoliatumの2種の菌根菌が発生した。処理区には6月にAmanita sp.,8月にAmanita vaginataとRussula sp.,10月にInocybe sp.がそれぞれ発生し,処理区で顕著な菌相の変化が生じることが確認された。非処理区では,微小真菌量は6月に最大値を,総細菌量とクリスタルバイオレット耐性細菌量は4〜6月に大きい値を示した。処理区では,微小真菌量は7月に最小値を示し,総細菌量は5,6月と急増したのち漸減し,クリスタルバイオレット耐性細菌量は7,9〜11月に小さい値を示した。非処理区では,常に一定レベルの外生菌根量が確認されたが,処理区では,5,6月には黒変した菌根が多数みられるようになり,6,7月に外生菌根量の顕著な減少がみられた。8〜9月には菌根の再生が観察され,10月には多量の菌根の存在が確認された。 以上のことから,尿素処理区では既存の菌根菌は他の微生物の活動が盛んになる5〜6月に次第に死滅し,分解され,他の微生物の活動が低下する7〜8月に尿素処理地の環境条件を好む新たな菌根菌(C.leucocephalaとH.spoliatum)が侵入を開始するものと推察した。
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