1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660168
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 進一 岡山大学, 農学部, 助教授 (60191409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
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Keywords | サワラ / 生態的特性 / 更新機構 / 木曽地方 / 伏条 / パッチ形成 / ギャップ / 天然更新施業 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1)平成5年8月及び10月にサワラの分布中心域である中部地方の北八ヶ岳、御岳でサワラの出現状態に関するサーベイ調査を実施した。サワラは標高2,000m以上の高海抜地にも分布しており、その立地は岩石地および湿性地であり、繁殖様式は伏条であることが判明した。2)長野県木曽郡上松町上松営林署管内小川国有林内のサワラ天然林内で新たに40m×50m(0.2ha)のプロットを設定し、前年度までに設定されたプロット4個とともに合計5個のプロットでサワラの更新特性と林分維持機構に関する調査を平成5年5・8・10月と行った。本年度は光環境の推定のために魚眼レンズによる全天空写真の撮影を月別に行い、林冠の落葉広葉樹の開葉期と落葉期の開空率のちがいを調べた。また、サワラの更新木の樹形調査を行い、閉鎖林冠下では伏条更新に適した樹形を、林冠ギャップ下では伸長生長を促進しギャップを占有するのに適した樹形をという、非常に可塑性に富んだ樹形をとることが明らかとなった。各プロット内を5m×5mのメッシュに区分し、各メッシュで地床タイプ別占有率を調べ、多変量解析の一手法であるDCA解析を行ったところ、サワラの伏条によるパッチや幼木はプロット内でも岩石の多い部分に出現することが判明した。このような立地ではサワラ林が連続して維持されると結論された。 プロット内の追跡調査木のサイズの再測定を行い、各林分の動態を予測した。岩石の多い林分では枯死木も多いが、生長量も多い、つまり、このような立地ではサワラ林がきわめて速く回転していることが示唆された。これらの主要な結果については第105回日本林学会で発表する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shin-Ichi YAMAMOTO: "Structure and dynamics of an old-growth Chamaecyparis forest in the Akasawa forest reserve,Kisodistrict,central Japan" Japanese Journal of Forest Environment. 35. 32-41 (1993)
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[Publications] Shin-Ichi YAMAMOTO: "Gap characteristics and gap regeneration in a subalpine coniferous forest on Mt Ontake,central Honshu,Japan" Ecological Research. 8. 277-285 (1993)
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[Publications] Shin-Ichi YAMAMOTO: "Seedling establishment of Chamaeyparis obtusa in different microenvironments in the Akasawa Forest Reserve,central Japan" Journal of the Japanese Forestry Society. 75. 519-527 (1993)
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[Publications] Shin-Ichi YAMAMOTO: "Seedling establishment of Chamaecyparis pisifera on different substrata in an old-growth C.pisifera stand,Akasawa Forest Reserve,central Japan" Journal of the Japanese Forestry Society. 76. 1-4 (1994)