1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660170
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Research Field |
林学
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
荻野 和彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90026394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 和雄 京都大学, 農学部, 助手 (50135547)
辻田 昭夫 愛媛大学, 農学部, 助教授 (50036307)
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80172732)
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Keywords | マングローブ / 組織培養 / カルス誘導 / 継代培養 / 脱分化 / 再分化 / Rhizophora stylosa / Bruguiera gymnorrhiza |
Research Abstract |
本研究ではRhizophora stylosaとBruguiera gymnorrhizaの2樹種を材料にもちいて、カルス細胞の誘導、継代培養、および再分化をこころみた。 Rhizophora stylosaとBruguiera gymnorrhizaの健全な未熟繁殖子を殺菌し、胚をとりだし外植体として用いた。MS培地にオーキシンの2,4‐DおよびNAA、サイトカイニンのBAPおよびKinetinを組み合わせて添加した。培養は28℃のカルチャーボックスでおこなった。 Rhizophora stylosaのカルスは、kinetinと2,4‐Dを含むMS培地で2週間で発生しはじめた。Bruguiera gymnorrhizaは維管束組織付近でリング状にカルスが発生した。生成したカルスが直径約10mmの大きさに生長したところで、3-4個に分けて継代培養した。Rhizophora stylosaのカルスは、培養初期ほど生長が速かった。顕微鏡による観察で、Rhizophora stylosaのカルスには、球状の細胞と円筒状の細胞が混在していることがわかった。 増殖したカルスは再分化を試みるために、サイトカイニンだけを含む培地、オーキシンとサイトカイニンを組み合わせた培地に移植した。培養条件は28℃恒温、5700lx・12時間、暗黒下・12時間の条件下においた。2,4‐Dとkinetinを含むMS培地で培養していたカルスの頂上部分に、多数の毛状突起構造が発生したが、その後さらに増殖をつづけ、8週間後には周辺部のカルスとみわけられなくなった。 Bruguiera gymnorrhizaの三分胚軸を砂上に植え付けた実験でカルスからシュートが分化した。このことから、Bruguiera gymnorrhizaの胚軸細胞は全能性を持っていることが確認された。1-2mmに切断した胚軸断面から細胞が増殖することが確認できたので、今後、小さなBruguiera gymnorrhiza断片から植物体を得る可能性があると結論することができる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] サッタスイナロン マリー・ 岡田 昌明・西村 和雄・ 荻野 和彦: "組織培養法によるマングローブ増殖技術に関する研究-繁殖子由来のカルス様細胞の誘導" 103回日林論. 483-484 (1992)
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[Publications] Vipak JINTANA,Ikuo NINOMIYA,Kazuhiko OGINO: "Root Development of Rhizophora apiculata Seedlings Under Extremely Low Oxgen Concentration of the Soil" TRPOICS. 2. 13-22 (1992)
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[Publications] Kazuhiko OGINO: "Mangrove Ecosystem as Soil,Water and Plant Interactive System In Towards the Rational Use of High Salinity Tolerant Plants,Vol.1 (Lieth,H.and Al Masoom,A.eds)" Kluwer Academic Publishers, 135-143 (1993)