1992 Fiscal Year Annual Research Report
択伐林への移行過程における最適伐出システムに関する研究
Project/Area Number |
04660172
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 誠 高知大学, 農学部, 教授 (70036721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池本 彰夫 高知大学, 農学部, 教授 (00093948)
後藤 純一 高知大学, 農学部, 助教授 (90127928)
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Keywords | 作業システム / 最適施業法 / 施業方式 / 地表障害物 / 林内走行車両 / 択伐林への移行 |
Research Abstract |
本研究では、最適伐出システムを『林地の生産力が恒続的に高まる施業法』につながるものと位置づけている。そこで、現実の労働環境に鑑み、必ずしも好ましくないが林内に作業用車両を導入してワンマンオペレーション方式を是とし具体的な検討をした。林内での車両のトラフィカビリテイを左右する因子は、地表傾斜、土の支持力、そして地表に存在する種々の障害物である。障害物の分布、密度については、平地林や丘陵林での報告はあるが、急峻山岳林でのものがない。そこで実証的に、急峻山岳林の林地表面に存在する車両走行に支障をきたす物を精緻に測定記録した。支障をきたすと考えられる物としては、苗木、立木、根株、倒木、転石、露頭岩、密生した灌木などであろう。本研究では、地表条件の異なる20×20mの測定区6カ所を対象に、障害物の位置を大きさを正確に測定した。作業用車両は等高線方向に移動するものとし、方形測定区の一方の縦の辺から、対辺へ、障害物の間隙を縫って到達するものとした。そしてその到達性を車両幅を基準にして検討した。すなわち、仮想車両の迂回率で評価した。対辺への移動ルートの探索には、障害物の位置によりボロノイ多角形により分割し、多角形の辺を林内走行車両が走行する仮想走行軌跡群とする。ボロノイ多角形の辺によって与えられる仮想走行軌跡は、必ず障害物間の中央を通るものとして客観的なルートが得られる。ここでは、最短到達線に対して、45゚以上の異方向のルートと仮想車両の車両幅より狭い障害物間隔のルートは否定した。その結果、ha当たり1200個作業法決定の判断基準とすることが、確立論的に言えることが分かった。この値を超える障害物がある場合は、何らかの場の整備をしなければならないが、人工造林地では、苗木だけで3000本/ha前後あるので、これの植栽方式を変更しなければならないことになる。障害物はランダム分布が認められたので、確率論的に処理できる。
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