1994 Fiscal Year Annual Research Report
木質系バイオマス由来熱分解タールの流動層In Situ水素化分解による炭化水素の製造
Project/Area Number |
04660173
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Research Institution | KITAMI INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
鈴木 勉 北見工業大学, 工学部, 助教授 (20125389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
射水 雄三 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10125388)
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Keywords | 木タール / In Situ水素化分解 / 流動触媒床 / ガソリン / 炭素担持ニッケル触媒 |
Research Abstract |
我々は木質系バイオマスからの機能性炭素(気相水素化用炭素担持ニッケル触媒)、高品質液体燃料(炭化水素油)、高発熱量気体燃料(気体炭化水素)の同時生産を目指して水素化熱分解-insitu流動接触床水素化分解(Hp-Hy)を開発した。本年度は炭素担持ニッケル触媒の製造を目的とした木材の化学改質前処理(カルボキシメチル化後のイオン交換ニッケル添加、Ion-Ni/CMと略)、それに関連して水溶液含浸法ニッケル添加(単にNi添加)や脱灰(D)の生成物分布に及ぼす影響を調べた。Ni添加はチャコール収量を減少させ、軽質油(LO)や含酸素ガス、気体炭化水素(特にメタン)を増加させた。しかし、LO中の単環芳香族成分(OMA)は減少してフラン化合物が増加しており、未反応残渣(触媒上のコ-ク)は大きく増加した。これはニッケルの存在がHp反応を促進させて高分子量液体フラグメントの生成量を増加させたが、それらの流動触媒床中での低分子量化や脱酸素は効果的に起こらなかったと考えられる。また、Dはチャコール収量、LO、含酸素ガスを減少させて重質油(HO)やコ-クを増加させた。Dの影響はそれほど重大ではないが、この結果は灰分がHpにおける液状成分の分解、低分子化に寄与することを示唆している。DへのNi添加ではチャコールが減少してLOやメタン生成量が増加した。しかし、LO中のフラン生成量が減少せずOMAが減少することから、Ni添加はLOの組成改善には効果的でなかったことがわかる。一方、Ion-Ni/CM(脱灰を伴う)ではDへのNi添加よりLO、OMAが少なく含酸素ガスやメタン量はかなり多かった。これは液状成分のガスへの分解が促進されたためであり、またLO中のフランも大きく減少した。このことはIon-Niの強い触媒作用がLO組成の改善に効果があり、Ion-Ni/CMを原料とする方がより好結果を与えると判断された。
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