1992 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質球状タンニン樹脂吸着剤の各種クロマトグラフィー用樹脂への変換
Project/Area Number |
04660192
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 東彦 九州大学, 農学部, 助手 (10091381)
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Keywords | 多孔質球状タンニン樹脂 / 吸着剤 / クロマトグラフィー用樹脂 / スルホン基 / カルボキシル基 / アミノ基 / タンパク質 / フェノール樹脂接着剤 |
Research Abstract |
市販ミモザタンニン粉末に含まれる非タンニン成分を除くために、市販タンニンをアルカリで処理することによって非タンニン成分を加水分解した後、酢酸エチルでタンニンを抽出精製した。精製タンニンの水溶液とホルムアルデヒドとの反応により、多孔質性の異なる無処理球状タンニン樹脂(タンニン濃度38.0%、43.5%、50.0%)を調製した。また、この精製タンニンのスルホン化物、カルボキシル化物、アミノ化物、およびトリクロロ酢酸によってフラボノイド骨格のベンジルエーテル環を解裂したトリクロロ酢酸処理タンニンを調製し、これらの前処理タンニンとホルムアルデヒドとの反応によりそれぞれ38.0%濃度の樹脂を調製した。 上記各種タンニン樹脂のうち無処理タンニンからの球状樹脂を用いて、現在、タンパク質あるいはフェノール樹脂を試料としてサイズ排除クロマトグラフィー用樹脂としての性能についての検討を行っている。すなわち、種々のpHあるいはイオン強度の緩衝溶液に溶解したタンパク質やフェノール樹脂を、カラムに充填した球状樹脂に対して注加し、同じ緩衝溶液を溶離液として流下させた。タンパク質は、一部樹脂に吸着される為分画条件の検討が必要であるがフェノール樹脂は分画できる。今後、ほかの樹脂によるイオン交換あるいはアフィニティークロマトグラフィーなどについても検討する。なお、この研究費交付認定が10月下旬だった為、現段階で研究は余り進んでいないが、今後も継続して研究する。
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