1993 Fiscal Year Annual Research Report
粘液胞子虫感染におけるコイの抗体産生機構に関する研究
Project/Area Number |
04660197
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 和夫 東京大学, 農学部, 助教授 (20092174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 貴次 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70159557)
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Keywords | コイ / 粘液胞子虫 / Myxobolus artus / 抗体産生 / ワクチン |
Research Abstract |
1)コイの体側筋に寄生する粘液胞子虫Myxobolus artusの種々の発育ステージのコイに対する抗原性;間接蛍光抗体法 種々の発育ステージを内包する若いシストの内容物(栄養体、胞子芽細胞および胞子を含む)を抗原とし、抗体保有魚の血清を用いた間接蛍光抗体法を行った。その結果、栄養体と胞子芽細胞に対しては特異蛍光が認められた。特に、寄生体の内部と辺縁部に強い蛍光が認められた。一方、胞子に対しては特異蛍光は認められなかった。従って、発育中の寄生体のみが抗原性を有すると考えられた。 このことにより、被包形成が不完全など、異常な発育を示すシストが、胞子形成を完了する前に崩壊することによって、シスト内の抗原性のある発育中の寄生体が宿主の免疫系にさらされた結果、粘液胞子虫に対する抗体産生が誘導されたという仮説が裏付けられた。 2)寄生体の接種によるコイの感染防禦能の獲得 今年度は若いシストを持つ自然感染魚を十分に採集できず、胞子形成前のステージをコイに接種する実験は実施できなかった。そこで、精製胞子の超音波破砕物を抗原として接種したコイを実験魚とした。その後、接種魚と対照魚を感染水域で飼育した結果、感染率、血中の好中球の割合および貪食能で、実験区と対照区で差はなく、胞子を抗原としてはワクチン効果はないことが確認された。
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Research Products
(1 results)