1992 Fiscal Year Annual Research Report
細胞・酵素固定化による海洋微生物機能の開発・利用に関する研究
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04660222
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
菅原 庸 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80024826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 俊夫 三重大学, 生物資源学部, 助手 (50024831)
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Keywords | 細胞・固定化 / 海洋微生物機能 / 微生物の開発・利用 |
Research Abstract |
1) 有機物分解・浄化に関与する微生物群すなわち有機物分解菌、アンモニア酸化細菌、脱窒細菌、低窒素同化細菌、藍藻などの有用微生物機能を開発・利用するため、これら有用微生物の探索を試みた。 2) これまでに海洋環境から分離した低窒素同化細菌は、簡易同定法により分類した結果、かなりの部分がPseudomonasに属するものであった。また、分離した低窒素同化細菌の多方面への利用をはかるため、窒素源として利用できる化合物を調べた結果、NH_4Cl、KNO_3、各種アミノ酸類の他にトリメチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミンなどを利用しうる菌株も認められ、今後、これらアミン利用菌株の利用・開発が期待される。 3) 有機物分解菌について、カゼイン、デンプン、トリブチリンを基質として分解力の強い菌株を選別した。分離した有機物分解菌800余株の従属栄養細菌のうちで、カゼイン、デンプン、トリブチリンをともに強力に分解し、かつ脱窒能を有する菌株を最終的に選別できた。 4) 酸素供給者としての藍藻Synechococcusは微弱光のもとでも光合成能を有し、有望と考えて海洋環境からの分離を試みたが、Synechococcusの分離はいまのところ、やや困難である。しかし海洋環境から採取した微細藻類(未同定)の培養と純粋分離を現在実施中である。また、海洋性アンモニア酸化細菌についても、現在、分離操作を続行中であるが、まだ成功にいたっていない。 5) 微生物細胞の固定化条件を検討するため、有用微生物として低窒素同化細菌、担体としてKーカラギーナンを用いて細胞の固定化を試み、細胞を固定化したビーズによるアンモニアの同化能を調べた。その結果、細胞固定化したビーズからの細胞の遊離が若干認められたものの、細胞を固定化したままでビース内細胞の再活性化も可能であった。
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