1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞・酵素固定化による海洋微生物機能の開発・利用に関する研究
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04660222
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
菅原 庸 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80024826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 俊夫 三重大学, 生物資源学部, 助手 (50024831)
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Keywords | 細胞固定化 / バイオリメディエーション / 海洋生物機能 / 微生物開発・利用 / 環境修復 |
Research Abstract |
1.海洋微生物の有する有用機能を現場へ応用するための第1ステップとして,現場条件にできるだけ近似したモデル系を設定した。開放的な現場系に細胞そのものを散布したとしても,海水の流れとともに拡散あるいは分散するため,その効力を現場に維持・定着させるためには,なんらかの担体に吸着あるいは固定化し,現場海底に散布する必要がある。汚染有機物が有用微生物によりどの程度消失・除去されるのかについて検討するため,低窒素同化細菌を吸着・固定化させる安価な担体としてゼオライトを用い,モデル小型水槽を設置し,人工汚染海水を調整して浄化能を調べた。 実験開始時には,汚染海水のCOD値は93.0mgO_2/1,NH_4^+濃度は約193mg/1であったが,低窒素同化細菌により2日以内にCOD値が0〜1.2mgO_2/1にまで減少して,汚染有機物がほとんどすべて分解され,低窒素同化細菌をゼオライトに吸着させた場合も,その能力に差異が認められなかった。汚染海水のNH_4^+濃度は2日目には16〜17mg/1となり,最初に存在したNH^+_4の約91〜92%が低窒素同化細菌に取込まれ,窒素が除去されたことになる。また,低窒素同化細菌の機能は,ゼオライトに吸着させた場合でも,懸濁細胞と同程度の活性を有していた。 2.酸素供給者としての微細藻類,亜硝酸生成者としてのアンモニア酸化細菌などの有用微生物を純粋分離し,それらの生理学的特性を明らかにして開発・利用をはかったが,いずれも随伴する従属栄養細菌を除去することができず,純粋培養に至らなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sugahara,I: "Shrimp Culture Management and Reservation of the Coastal Mangrove Forests" Proceedings of the 1994 MIE International Forum Symposium on Global Environment and Friendly Energy Technology. 474-476 (1994)
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[Publications] 菅原庸: "海洋微生物が生産する溶菌酵素" 防菌防微. 22. 225-230 (1994)
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[Publications] 石田祐三郎・菅原庸(編): "赤潮と微生物-環境にやさしい微生物農薬を求めて" 恒星社厚生閣, 126 (1994)
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[Publications] 菅原庸ほか: "現代の水産学" 恒星社厚生閣, 407 (1994)