1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04660252
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松本 康夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021728)
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Keywords | 土地利用計画 / 農村景観 / パーソナルコンピューター / 住民参加 |
Research Abstract |
農村地域の未圃場整備地区においては,農地の荒廃や虫喰い的な転用が進まないように計画的な土地利用を誘導する圃場整備や土地利用計画が必要である。圃場整備に対する農家の動機付けや土地利用計画に対する住民合意を得る手段として,土地利用計画のイメージ化を図る手法を開発した。研究にあたっては,地図を作成しながら計画イメージを形成する段階から土地利用計画に伴う景観変化に至る過程までをパーソナルコンピューターで表現することとし,景観シミュレーションは,あらかじめ現状景観を画像保存しておき,これに土地利用計画に伴う耕地形態や施設等の変化を重ね合わせて将来景観を予測する手法をとった。土地利用の課題を抱えた未圃場整備地区を選定し,地図作成によって計画課題を抽出しながら土地利用計画のイメージ化を図るとともに,あらかじめ写真撮影した現状景観をイメージスキャナーからパーソナルコンピューターに画像入力し,土地利用計画に即して画像の修正・編集を加えた。その結果,本手法は,簡易な操作で経済的に土地利用計画をイメージ化するのに優れた方法であり,住民参加の動機付けにも有効であることが示唆された。開発の過程から(1)将来の景観を再現する画像編集では貼り込みにふさわしい画像部品を準備しておく必要があり,同一画像から取った部品の場合には画像劣化が少ないが,仕上がり精度は部品によって左右されること,(2)写真による入力画像は視野が限られ,農村景観の一部が切り取られるため,表現が単調になりがちで訴える力が弱いことが認められた。今後,画像合成によって景観をパノラマ的に表現する工夫が求められる。一方,土地利用計画図のような複雑な線画は,計画のイメージを具体化する上でやや難点があり,イメージ化を支援する上でも既存の航空写真を画像修正して用いる方が望ましいことを提示した。
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