1992 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地域の中小河川水の積雪・融雪過程を組み込んだ有効利用に関する応用水文学的研究
Project/Area Number |
04660260
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Research Institution | Hokkaido College, Senshu University |
Principal Investigator |
山梨 光訓 専修大学北海道短期大学, 土木科, 助教授 (10099111)
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Keywords | 寒冷地域 / 積雪・融雪 / 融雪水 / 水資源 / 水利計画 / 河川流出 |
Research Abstract |
北海道のような積雪寒冷地域における融雪流出は、地域の利水水文上、特筆すべき現象で有効に取り扱うことが望まれる。この研究では融雪流出量に着目して利水計画を立てる場合、いつ、いかなる量、質の水を取り込むことが効果的かを地域環境を考慮して応用水文学的に考究するものである。積雪地域の水文現象は水理的な水移動現象としてばかりでなく熱学的なエネルギー変化も含めた状態遷移の過程をも考慮する必要がある。そこで、降水が流域面上に到達した後の状態が固・液相のおのおのの場合、および、混在している場合に着目して水の挙動を捉えることを目的として当該年度は調査流域を2ヶ所に設定した。一つは菅原川流域で流路形状を把握するために縦断測量を行ない、今年度は中流部までの流路形態を明らかにすることができた。この流路は段丘を開析した流域として発達しているようで河道勾配が中流部で低減する。もう一つの流域である上中の沢流域が単調な勾配増加していく状況と比べ、対照的である。それぞれの流域では流域を分割して2点に観測点を設けている。観測項目は流量、水温の変化を調べる。気温、降水量は当該地区のAMeDAS観測点の気象資料を用いることとする。上中の沢については積雪量、水温、気温の変化についても行なう。積雪量は積雪深の日変化のほか定期的に積雪断面の密度、水量、雪温も観測し既往値との対応をとる。融雪量は気温との関係で処理できるよう上中の沢流域内には気温の試験区を設けて流域地形による影響変化について調査中である。また、流域積雪量調査を随時行ない現在発生中である融雪流出との応答を検証する予定である。
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Research Products
(1 results)