1993 Fiscal Year Annual Research Report
電場・磁場等の微弱エネルギによる処理水の物性測定と農業への利用に関する研究
Project/Area Number |
04660266
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
松岡 孝尚 高知大学, 農学部, 教授 (70036739)
|
Keywords | 微小エネルギー / 水処理 / 電気分解 / 電解水 / 防除 / 酸化水 / 還元水 |
Research Abstract |
本研究は、各種エネルギによる処理と水の物性変化ならびに処理水の農業生産への利用の可能性について検討するものである。平成5年度は、電気分解水(電解水)防除に関する基礎データを得ることを目的として、電解水の物性挙動の測定及び電解水の植物病害防除への効果試験を行った。結果は以下のように要約される。 水の電解速度は塩化ナトリウムの混合濃度に依存し、塩化ナトリウムの濃度が高いほどpH、ORP、ECの変化が早く、変化量も大きい。一方、生成後の電解水の物性変化は、大気開放区においてORP、DOの変化が著しい。還元水のORPは酸化水のそれに比べて、極めて変化が大きく、約1日で原水の値に近づいた。また、DOは還元水、酸化水ともに1日目の変化が極めて大きく、約2日間でほぼ原水の値に近づいた。還元水のpHは緩やかに原水の値に近づいたが、酸化水のpH及び還元水、酸化水のECは、5日間でほとんど変化が認められなかった。密閉区はいずれの物性についてもその変化は極めて微小であった。砂層を透過させることによる電解水の物性変化を調べたところ、砂層がほぼ5cm以上では、pH,ORP,EC,DOの値は電解前の水の値になることが分かった。 電解水のナス科青枯病菌への殺菌効果試験を行った。pH値2.85〜4.57の酸化水は、青枯病菌に対してすべての条件でコロニー形成が完全に抑制され、広いpH値の範囲で酸化水の殺菌効果が極めて高いことが分かった。また、還元水はpH値11.55においてのみ殺菌効果が認められた。また、電解水のナス黒枯病菌の分生胞子の発芽に対する阻害効果試験を行った。胞子発芽率が最大になる5〜6時間において、酸化水処理区ではpH4.0以下で水処理区に比べて黒枯病菌の胞子発芽を抑制した。とくに、pH2.9,3.5ではほぼ完全に胞子発芽を抑制した。
|