1992 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光を利用した温室における植物組織培養システムの開発
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04660271
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青木 正敏 北海道大学, 農学部, 助教授 (60081569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 宏 山口大学, 農学部, 助教授 (80142701)
堀口 郁夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
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Keywords | 培養植物組織生長 / 液体培地 / カンテン培地 / ロックウール培地 / バーミキュライト培地 / パーライト培地 / 生長解析 |
Research Abstract |
申請者らは、除菌することが困難な野外のガラス温室等において、太陽光を照射光として利用し、無菌的な培養を行なうことが可能なシステムを開発した。しかし、室内の人工光と比べて太陽光の光強度が強いため、温室での培養では、初期〜中期の培養植物組織の生長は優れるが、カンテン培地では培地からの水分蒸発が多いために、培地の水分不足によって後期での生長の伸びがやや鈍るという問題点があった。そこで、当申請研究では、当システムに適した培地を検討することを研究目的とした。 (1)すでに開発している培養容器システム、光強度制御システムおよび温度制御システムを用い、光強度を3段階に設定し、一定温度(25℃)に培養容器内の温度を保ち、繰り返しの培養実験を行った。(2)(] SY.encircled1. [)カンテン培地、(] SY.encircled2. [)培養液だけを用いた液体培地、および(] SY.encircled3. [)ロックウール、(] SY.encircled4. [)バーミキュライト、(] SY.encircled5. [)パーライトの素材に培養液を滲みこませた培地を用意し、カーネーションおよびワサビダイコンを実験植物として培養した。(3)定期的に生育調査を行い、上記の培養植物組織の生長解析を行った。この結果、どの光強度の場合でも、上記の培地のうち、培養植物組織の生長が優れた培地はロックウール、バーミキュライトであった。(4)培地の種類によって生育が異なるかを、水分蒸発量、培養液の濃縮度、水ポテンシャル等の測定を行い、解析した。その結果、カンテン培地では一度培地から水分蒸発によって水分が失われると、蒸留水を添加しても培地上に水が溜まるだけで、カンテン培地に浸透するわけではなく、カンテン培地の水分量が多くはならないことがわかった。液体培地では、小さな植物体が水中に水没するためか、発根がよくなかった。パーライトでは、原因は不明であるが、発根が最も不良であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 青木 正敏・堀口 郁夫・伊藤 千春・楊桂 清・原田 隆・八鍬 利郎: "空気組成制御および培養液添加が可能な強制通気植物培養容器システムの開発" 農業気象,. 48(1). 29-37 (1992)
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[Publications] M.Aoki,I.Horiguchi,C.Itoh and T.Harada: "An aseptic plant tissue culture system using sunlight as the light source in glasshouses." Agricultural Engineering and Rural Development (Proceedings of International Conference on Agri.Engineering(92-ICAE),Beijing,12-14 Oct.1992,Vol.2.
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[Publications] Vol.2. 6-1-6-6 (1992)
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[Publications] 青木 正敏・岡田 啓嗣・原田 隆・堀口 郁夫・谷 宏: "植物組織培養におけるCO_2施用設定濃度に関する研究(2)カーネーションおよびワサビダイコン" 日本農業気象学会1992年度全国大会講演要旨集. 58-59 (1992)