反芻家畜におけるグルコースの利用(酸化)と蓄積に対するインスリンの代謝調節

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04660310
• Research Institution: KITASATO UNIVERSITY, SCHOOL OF VETERINARY MEDICINE AND ANIMALSCIENCES
• Principal Investigator: 寺島 福秋 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (30050529)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐野 宏明 岩手大学, 農学部, 助教授 (20196306)
• Keywords: グルコース利用 / インスリン / 低Mg血症 / クレンブテロール / 栄養素酸化

Research Abstract

インスリンは三大栄養素に対して同化作用を有し、栄養素の利用(酸化)と蓄積割合を調節する重要なホルモンの一つである。本研究は種々の栄養生理条件下にある反芻家畜の栄養素の利用(酸化)と蓄積量の割合を明らかにすると共に、この割合を調節するインスリンの関与を検討することを目的とした。
1.正常めん羊と低Mg/高K飼料摂取の低Mg血症めん羊を常温(20C)および寒冷(0C)環境下で飼育し、グルコースクランプ法(EGC法;1,2,4および8mU/KgBW/min)と同時に呼吸試験を実施し、各栄養素の酸化量とインスリン作用(感受性)を比較検討した。いずれのめん羊でも、寒冷環境下の熱生産量および脂肪の酸化割合は、常温時のそれより有意に増加したが、これらに対する低Mg血症とインスリン注入水準の影響は認められなかった。寒冷環境下において低Mg血症めん羊のインスリン作用は正常めん羊のそれより有意に低下した。
2.クレンブテロール(beta-adrenergic cgonist)投与めん羊における栄養素の利用分配とその調節に対するインスリンの関与を明らかにするため、
(1)めん羊にクレンブテロール(0,10および40ug/kgBW/d)を7日間投与した後、呼吸試験を実施熱生産量および脂肪の酸化割合はクレンブテロールの投与によって有意に増加した。このことから、クレンブテロールは体脂肪の分解および脂肪の利用(酸化)を促進し、熱生産量を増加させることが示された。
(2)クレンブテロールの栄養素分配調節作用にインスリンがどのように関与するか現在検討中である。

Research Products

• [Publications] TERASHIMA,Y.,Y.HAMANO Y.ISHIKAWA,H.SANO: "The rates of oxidation primay nutrients in hypomagnesemic sheep fed a low magnesium and high potassium died" Animal Science and Technology(Jpm.). 64. 357-363 (1993)