1994 Fiscal Year Annual Research Report
鶏ロイコチトゾーン原虫のin vitro培養に関する研究
Project/Area Number |
04660328
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Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小野 忠相 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60029783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 義博 大阪府立大学, 農学部, 講師 (00092768)
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Keywords | 鶏ロイコチトゾーン原虫 / in vitro培養 / 生殖母体 / 生殖母体形成 |
Research Abstract |
本研究の主題である鶏ロイコチトゾーン原虫の第2代メロゾイトの培養を試みた。感染赤血球の培養に最も適した培養条件を検討したが、本年も宿主細胞即ち鶏赤血球側の要因を更に調べることによって、赤血球内で作られる生殖母体数の増加、生殖母体の発育維持に最も適した培養条件を検索した。 本原虫は鶏体内では赤芽球、網状赤血球など未熟型赤血球に進入した時にのみ、発育して成熟型の生殖母体になるものと考えられているが、その実態は明らかではない。そこで、その点を調べた。2ケ月令の鶏に原虫を感染させ、採血して感染赤血球の培養を開始する感染14日目の2日前、即ち12日目に予め血液10mlを鶏から取り、鶏に貧血を起こさせた。そして14日目に原虫感染未熟型赤血球を大量に得、これを培養に供した。In vitro培養はこれまでの培養成績を基礎にして行い、培地はRPMI1640培地を用いて5%CO_2+空気の気相下で37度で培養した。培地は馬血清を10%、人正常赤血球を0.5ml、ヘパリンを10u/m1、NaC1を1.1倍になるように添加して用いた。培養を8日間行った。その結果、発育した生殖母体数を比べると、採血群即ち、未熟赤血球が多く含まれている感染赤血球で生殖母体の形成が良好であった。この成績は鶏体内と同様、培養においても未熟感染赤血球の方が正常感染赤血球よりも生殖母体形成を起こし易いことを示している。 今後はこのような条件下で原虫の培養を行い、生殖母体形成の機序を調べていく予定である。なお、今年度の研究として予定していたカルモデュリン、カフェインを培地に添加して培養する実験は生殖母体形成に良好な結果を得ているが、この点についても更に検討を加える。
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