1992 Fiscal Year Annual Research Report
広東住血線虫のネズミにおける侵淫状況調査及び同線虫症の血清学的診断法の確立
Project/Area Number |
04660332
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金城 俊夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (40045084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助手 (80196774)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10144007)
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Keywords | 広東住血線虫 / 広東住血線虫の血清診断 / 広東住血線虫の分布 / ネズミの線虫症 |
Research Abstract |
今年度は主として、ネズミからの本線虫の分離と、中間宿主候補動物からの第3期仔虫の検出を行った。 1.私共は今までに、名古屋市N区のドブネズミの本線虫寄生率が16%(4/25)であったのに対し、他の15区のそれが0%(0/132)で、本線虫が局在して分布することを明らかにした。しかし、今年度4区97匹について調べたところ、新たにMM区47匹中1匹2.1%、MT区20匹中 1匹 5.0%にそれぞれ本線虫寄生が確認され、本線虫が広く分布している可能性が示された。 2.線虫が確認された 1匹は、肺病巣は著明ではなかったが、肺動脈から雌雄約10隻を分離した。また、他の1匹は肺全体が壊死巣化し、脆弱で、虫体が多数確認され、 雌雄各20隻を採取した。虫体はPBSでよく洗浄後、蒸留水に浮遊し、 抗原抽出のため-20゚Cに保存した。 3. 本線虫の汚染地域と思われる沖縄県でのドブネズミの補獲はできず、代わりにリュウキュウジャコウネズミが56匹補獲されたが、本線虫の寄生は確認できなかった。また、アフリカマイマイ60匹について外套膜の圧片標本を鏡検することにより、第3期仔虫の寄生状況を調べたが、すべて陰性であった。 4.名古屋市のN区で採取したナメクジ298匹及びタニシ94匹について消化法による仔虫の検出を試みたが、現在まで確認されてない。 5.今年度は2匹のネズミの肺動脈から採取し、保存してある成熟虫体約50隻について、特異的抗原の抽出を各種手法で試み、同時に感度の高い血清反応を確立したい。 6.採血保存されているドブネズミ血清571例、リュキュウジャコウネズミ血清205例について確立された反応系で血清疫学的調査を実施して、本線虫のネズミにおける侵淫状況を解明したい。
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Research Products
(1 results)