1993 Fiscal Year Annual Research Report
広東住血線虫のネズミにおける侵淫状況調査及び同線虫症の血清学的診断法の確立
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04660332
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金城 俊夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (40045084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助手 (80196774)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10144007)
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Keywords | 広東住血線虫 / 広東住血線虫の血清診断 / 広東住血線虫の分布 / ネズミの線虫症 |
Research Abstract |
今年度は主として虫体の収集と診断用抗原の作出及び血清反応の予備実験を行った。 1.本線虫の虫体を収集するため、沖縄において第3期幼虫をもつ中間宿主のアフリカマイマイやナメクジを集めた。アフリカマイマイ284匹中9匹(3.2%)、ナメクジ12匹の混合材料中にその寄生が確認され、消化後第3期幼虫を採取した。沖縄でも寄生状況に地域差があった。 2.第3期幼虫の一部はラットに経口投与後経時的に血清を採取し、また40-45日後の肺より成熟虫体を回収した。肺で産卵後孵化した第1期幼虫も収集し、十分洗浄後-20℃に保存した。 3.各発育期の凍結保存虫体を融解後細切し、ホモブレンダーや超音波処理等で抗原成分を抽出し粗抗原とした。これら粗抗原を用いて、自然感染ドブネズミ及び実験感染ラット血清についてELISAによる反応系の予備実験を行ったところ雄成熟虫体由来の抗原で良好な成績が得られた。 4.この抽出抗原を用いて第3期幼虫接種ラットの経過血清について抗体の消長を調べたところ、接種2週間から抗体の上昇が認められ、5週目にほぼピークに達した。さらに名古屋市で捕獲したドブネズミ412例の血清についてスクリーニングを行った。陽性例25例が確認され陽性率は6.1%であった。しかし今後さらに本抗原の精製及び特異性の検討を行う必要がある。 5.名古屋市でドブネズミに本線虫寄生の認められた名東、港及び南区よりナメクジをそれぞれ298、307及び176匹採取し、消化後第3期幼虫の寄生の有無を検討したが、港区のそれに形態的に本線虫を疑う虫体がみられた。しかしラットへの経口投与で回収には成功しておらず、名古屋市のドブネズミにおける本線虫の感染環はまだ解明されていない。
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Research Products
(2 results)